生地 雅之

2021 31 May

港南台バーズ&横須賀さいか屋

4月30日に下記の館(元港南台高島屋)に、5月2日に再生しました横須賀さいか屋に行ってきました。
港南台バーズは相鉄が主体でのショッピングモールに変化して、4月23日にOPENしたものです。横須賀さいか屋は一旦閉めたものの、お客様の声を重視してよこすかショッピングプラザとして3月22日に再開店したものです。
港南台は百貨店客が少なく、百貨店はJRで23分の横浜に出ればそごう・高島屋他にルミネ、ニューマン横浜、地下街ポルタ、ジョイナス、マルイ等があり、横須賀さいか屋は地元の歴史のあるさいか屋ファンのミセスやシニアも多いのですが、京急快特で16分の上大岡に出れば、京急百貨店もあり、幅広い客層に向けた館が存在し、その先には上記横浜もあります。

その後、5月には無印の食品(自前とクイーンズ伊勢丹導入のセット)で、過去の北花田(大阪堺市)のイオンモールに出来た無印自前の生鮮は展開していません。要は自前の生鮮は無理だったのでしょう。「餅は餅屋」です。つまり、港南台では百貨店が不要であり、今回は食を中心に、相鉄ローゼン、北野エース、ユニクロ、GU、無印良品やミセス専門店など、顧客密着型のテナントに集約しています。その事は妥当なのでしょうが、果たしてこの駅前で維持出来るのでしょうか?地方のショッピングセンターレベルなのです。ハレの日ではないのですが、ケの日でもなりきっていません。

まして、食品強化は妥当なのですが、このエリアにこの館だけなら良いのですが、隣に食の強いイオンフードスタイルが存在しているのです。また、フードスタイルと称しながら、雑多な衣料品までも展開し、バーズよりもケの日用のテナントも配置しているのです。このエリアは港南台高島屋では背伸びでしたが、現在のバーズよりもイオンの方がこのエリアの日常使いのケの日ではないでしょうか?
このイオンフードスタイルがケの日で、バーズがハレの日使いになる可能性があり、バーズも生き残りが見えないのです。立川高島屋SCも同様にレベルを日常使いにしても継続が難しい館も、

港南台高島屋が存続できなかった理由には、堺髙島屋、泉北高島屋の位置付け(なんば高島屋があれば南海高野線~泉北鉄道1本、堺高島屋のある堺東からなら10分程度)、阪急が三宮そごうを手に入れ、西神(三宮で神戸市営地下鉄に乗り換えせざるを得ない北側のニュータウン)そごうを手に入れなかった事と同等の理由が見え隠れしています。

過去の八王子そごうの近隣商圏に橋本そごうや柚木そごうを作り、他の百貨店に商圏を取られるなら自前でのそごう戦略(大きい事は良い事だ=イオンもそうであったが現在は違っている事を望む)であり、装置産業の百貨店では閉店以外には道はありません。現在は八王子そごうまで3店とも閉店しています。JTのセブンスターからマイルドセブン、セブンスターライトへ、カローラからカローラスプリンター、カローラフィルダーや、コカ・コーラからコカ・コーラ・ライト、コカ・コーラ・ゼロのような生産調整可能な同嗜好の派生ブランド戦略とは異なります。

一度作ってしまえば身動きが出来ない商業施設とは大きく異なるのです。隙間商圏を他社に取られるくらいなら自前での戦略であり、隙間への新規参入でも、国分寺ミーツのような北側に新鮮な箱を作っても、南側には元気の良いセレオ国分寺や国分寺丸井が既に顧客をがっちり抑えており、割り込む余地はありません。既にゴーストタウン化しており、後発で弾き飛ばされたのです。つまり、商圏の重なり、マーケティングの不備による事業継続や新規参入の難しさが浮き彫りになってきていると推測され、正しい判断とは見受けられません。

横須賀さいか屋もよこすかショッピングプラザと名称を変更しても、店内は全く変わっておらず、効率の悪い5階以上を閉鎖し、元からある場所貸しのサガゼン、好日山荘等や食品売場や他のミセスフロアはそのままで、1Fには化粧品+雑貨の他、千葉三越閉店時同様に催事(セール)売場が広がっている程度です。要は見直し(家賃が下がったから、顧客の声を重視しての再開など)は答えを先延ばししているに過ぎないのです。地域顧客の徹底したマーケティングによる根本的な転換以外には、生き延びる道は全くないと言っても過言ではないでしょう。

横須賀さいか屋は駅から5分程度ですが、京急横須賀駅即の京急線路沿いにある昔ながらのアーケード付きの商店街(みかさショッピングプラザ)の方が賑わっている状況です。ここは駅前のビルの商業施設が今一なのですが、もし駅前の商業施設を強化されたらよこすかショッピングプラザも含め一貫の終わりなのでしょうか?よって、閉店の撤回したのも、経営陣の刷新目的もあるのではと穿った見方に映っている方も多いのでしょう、

要は早い目に閉店し、マンションやオフィスビルに転換し、食品と一部外商顧客対応(売場が必要かは別)を残せば十分でしょう。別途、海老名駅前の小田急のヴィナウオークを真剣に改築すれば、ららぽーと海老名の圧勝から脱却できヴィナウオークの外側のイオン2店も終わります(今でも終わっていますが、上記港南台のように転換すれば、イオンも商業施設よりマンションの方が永続出来そうですが)が、この横須賀エリアの活性化のためには、駅前の活性化をいち早く望むのもです。

京急横須賀駅の隣の駅の県立大学(駅前は何もなく、商圏は横須賀)から徒歩20分程度の(海べり)ところにはLIVIN横須賀(まるでウオールマート)、HOMES、ノジマモール(家電以外はしまむらや西松屋、トイザらス等)があり、両店の真ん中にうみかぜ公園も存在し、家族連れが車で1日楽しめるエリアもできており、駅前との差別化もできつつあります。

追)先週の「ニトリ」のブログ後に、イオンモール越谷レイクタウンに訪れましたが、数年展開していましたN+は既に撤退しており、大幅な在庫処分の噂もあり、やはり撤退されるのでしょうか?やり方が違うだけなので、修正を掛ければまだまだ再生にも道はあると思われるのです。勿体ないし残念です。(組む相手が間違っただけなのです)

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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