生地 雅之

2024 22 Jul

イオンの戦略が妥当

最近ネットニュースで、イオンモールが新規出店を辞めているので、経営が苦しくなっているとのコメントが乱れている。識者らしき人が尤もなコメントを出して、一般の素人が関心しているとの評価が散見されるが、本当だろうか?

 

イオンは今まで総帥TOPの意向で、カニ張りを余儀なくされ出店攻勢だったのですが、グループ各社TOPは自分で考えての戦略に戻りつつあります。基本は既存店の立て直ししてビジネスモデルを確立してから、多店舗(横)展開しないと赤字の垂れ流しになるのです。

 

7月5日付繊維業界紙にイオンモールのTOPのインタビューが掲載されていましたが、営業利益の悪化は建築費の値上げに対応できない(納期遅れも)理由によるものがメインであり、既存店の見直しは当然の戦略なのです。それ以外に理由があり、コメントしていない場合もあり得るのですが、

 

建築費の値上げがなければ、カニ張りが続いていたかは疑問ですが、漸く地に足がついてきた施策なのです。もし今後出店を続けていくのなら、軸を変えてのモールであったりしないと、まだまだ飽和状態ではないと思われるが、隣接しても両店が生き延びる道は沢山あるのですが、

 

セブンイレブンが国内2万件を超しているのは、店名が同じでも展開商品を差別化してきているからであり、ローソンのように店名をナチュラルローソン(色までWINEに変え)苦戦している点を見ても、小売業はグッズブランドの育成は下手でショップブランド依存から脱していないのです。

 

グッズブランド育成はメーカーの得意分野で、バーバーリーは知っていても、過去は三陽商会が、現在は英国が運営していることなど一般消費者は知らないのです。それでもバーバリーの認知度は高いのです。

 

これからは、ショップブランドとグッズブランドを上手く育成し、ビジネスを効率化していくべきです。日本ブランドのゴールドウィン(カンパニーグッズブランド)の営業利益は昨年18%もあり、百貨店やGMSの営業利益は1桁の下の方に位置しているのです。小売業でも場所貸しは高いのですが、売れ筋を持っていないショップの集積では続かないのです。

 

要は「利は元にあり」でメーカーは自社ブランドで買取のリスクを踏み、ブランディングできているからこそなのです。小売業は特に百貨店はインバウンドのその先が見えないまま外商強化1本足打法を継続せざるを得ないのが実態なのです。

 

インバウンドは昨年4700億円に近付き、10大都市で79%弱、東京(30%)、神奈川、名古屋、大阪で62%弱を占めるのです。如何に都心百貨店(免税売上700億円超)なので依存、で、百貨店は自店への引き込みとNETでの総客に注力するのも当然なのです。

特に阪急の寧波阪急(阪急阪神百貨店では阪急本店の2番店)での総客施策は素晴らしいものですが、

 

同紙に郊外百貨店の自主編集売場を核に、リニューアルし営業利益が0.38%の黒字など記事にしていても参考にもならない。地方郊外百貨店での黒字が珍しいのか?地方郊外百貨店は黒字出しても将来性を考えると不安だらけです。いつも提言しています様に体力のあるうちに業態転換しておくべきです。勿論このまま継続する訳ではないでしょうが?

 

百貨店は猫も杓子も外商強化ですが、次はどこに依存するのでしょうか?

上述のゴールドウィンは韓国に手を出し、自ら新マーケットを開拓しようとしています。

GMSもそうですが、ターゲットを間違った施策は厳禁で、Z世代やα世代を狙うのは良いのですが、ターゲットを間違った施策程効果が出ていないのです。

 

GMSの良い所はブームをとらえても、落ち着いた段階でも毛尾族しており、㈱の業界用語の「もうはまだ、まだはもう」を徹底しているコトです。アウトドアブームなどは数年前にわだいとなりGMSも追随して仕掛けたものですが、トレンドからは下火になっている今も、実際継続して展開しているのです。ベースのお客様には今頃適しているのでしょう。

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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