生地 雅之

2024 15 Jul

ヨーカドー四街道のFOUND・GOOD・3

6月下旬に掲店に行ってきました。お店全体のお話は過日リニューアルについての項に記載済みですが、今回はアダストリアとのコラボの「FOUND・GOOD」について、絞り込んだ分析をしてみました。

 

久しぶりに品質について商品自体を詳細にみてきました。(キャリアは過去前職でアパレルの企画生産担当とマーケティング&アパレルのブランド・マーチャンダイザーを20年程、営業担当と営業管理職を9年程(最後は1部上場時代の取締役6年)」

結果は過去のヨーカドーの平場の商品の方が品質は高いのです。残念なコトに、ヨーカドーは過去にこのブログにも記載の通り、GMS の欠けている部分が満載であり、特に商品ではレヴェルは高いのですが、余計な商品が多すぎて、必要な商品を探すのに苦慮するのです。

 

この点を突いたのがアダストリアであり、通常FBやSCに展開しているGLOBAL・WORKよりも上代を抑えるのによりチープにしているようなのです。ヨーカドーは自前での衣料品から撤退し、自社の欠けているコト提案に乗ったのでしょう。

ヨーカドーの過去の仕入れ担当者の口惜しさが目に浮かぶようです。実は彼らは自ら「コトのくくりができていなく、言われたままの金額の仕入れをしていたと思われるのです。上に物言えない企業が現場の提案を受け入れない状況のままなのです。

 

この「FOUND・GOOD」の商品にはお客様は目移りして、売場にて商品を触っているのは事実ですが、購入している様には見えません。今までの売上より、少しはましなので、「良かった、良かった」に取られているのでしょうが,、期待値こみで計画値が高すぎる大きく予算は未達成のようです。。本来ならもっと売上が上がるべき、一等地での展開なのですから。GMSは食品売上が全体の65%にもあるのに、売場面積は全体の1/3程度なので、2Fも食品を広げた方が妥当と言えるでしょう。

 

話を商品に戻して、FBやSCの展開しているセレクト・ショップ(既に表現は合ってはいないが)系の企業で、商品に丸みを持たせた商品を作っているのは、ユナイテッドアローズが筆頭であり、確かに型紙は平面でありながら、人間の体は上から見ても丸みがあるので、如何に平面的な商品を体になじませる努力(技術)が必要なのです。百貨店アパレルなどはそれができている企業が多いのですが、

 

いつも提言していますように、コト提案で購入されてもおおくて2~3点であり、購入された商品を過去に購入された商品と比較された時に、比較されレヴェルが低ければ2度とその店やブランドでは購入されないのです。ブランドにはショップブランドとグッズブランドの2種があり、小売業は両方のバランスが必要になってきているのですが、まだまだショップブランドに依存しています。小売業が最近特に、ブランディングを意識して新ブランド構築に向いてきていますが、過去の失敗が何故なのかを見直さないではいくら挑戦しても成功は不可能です。

 

GMSのお客様はブランドに紐ついているのではなく、アイテム(スラックスならスラックスを、シャツならシャツを、よってアイテム展開売場が多いのです)を購入しに来ているので、「記号型ブランド(ブランド名を伏せても売上は変わらない」と称しているのです。

ブランド育成を目標にしているのなら、「どのようにすれば?」が見えていないのです。

 

過去のGMS(ヨーカドーのみではなくイオンも同様)の商品は良いモノもあるのですが、「掃きだめに鶴のように」探せないのです。

これの目線を持っていればと機会ロスを恐れない「売上至上主義から利益至上主義への移行」の徹底さえあれば、無駄の排除ができ、同じことが品質高くできていくのです。たったそれだけの改善がいままでも欠けていたのでしょう。残念です。経営層も何故このコラボに移行しないといけなかったのかを再考頂きたいものです。

 

「現場がだらしない」と思わずに、「何故意見が上がって来なかったのか?」現場にしかヒントが落ちていないのは明白で、本田宗一郎氏の「三現主義(現場・現実・現物」の徹底ができない組織とは何がそれを阻害しているのか?上層部が考え、現場は言われたことをやるだけで、考えなくても良いと見ていないでしょうか?

 

自分が経営層に上がって来た時は自分自身は会社に良かれとの考えを持たれて表現・実行し結果を出されてきたのでしょう。今や現場にそれを望むことに終始しないで、何故良いアイデアが吸収できないのかも考えて頂きたいものです。アイデアを見極める目線も経営層には必要不可欠でしょう。今や上(経営層)も下(現場)も毎日研鑽の日々なのです。小職も一生勉強ととらえ、常に小さい事も新鮮に受け止め、キャリアの中で小さいと慣れないことを心がけていますが、中々できていないことに反省の毎日です。

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

弊社へのご連絡は、HOME-PAGEのお問合わせより、お願いします。