生地 雅之

2020 04 May

服の基本2

4月10日の日経MJ7面に、「アディダス、着やすいスーツ」と題してスポーツメーカーの機能とイセタンメンズとのコラボの開発商品の記事が掲載されていました。

記事内容にはとやかくはないのですが、掲載された商品のシングル2つ釦ジャケットの写真を見て驚いたのです。

 

2つ釦のジャケットのボタンが2つとも掛けられていたのです。婦人服でもあるまいし、

日経MJの記者やアディダスはともかく、イセタンメンズが絡んでいて、このありさまです。撮影や着せ付けは日経やアディダスであっても、確認しないのでしょうか?

 

伊勢丹メンズ館の店頭では絶対あり得ない状態であり、雑誌等の編集者に紳士服の基本を知らないコーディネイターが婦人服もどきにこのような状態を再現する場合も散見されますが、ユニクロ(ハンガー納品時のまま店頭に掛けられている)や過去の西友のスーツのポスター等と同レベルなのです。

 

あの伊勢丹なのです。お任せしたら丸投げでしょうか?(日経やアディダス)のレベルが自分(伊勢丹)と同様に高いと考えての一任なのでしょう。これで良いとは考えていないのでしょうが、関わる限りは服のプロとして最後まで責任(注意喚起)を持ってほしいものです。残念。

 

この様な事例は前述の雑誌にも多いのですが、GMSのパジャマもこの事例が多く出ているのです。GMSのパジャマ業界もj婦人担当デザイナーが紳士も担当してくる場合も多く、このような事例(打合せが逆)が発生し、通常なら作り変えるのですが、GMSではそのまま引き取り、売場に展開している場合も多いのが実情です。

 

GMSとしては、自社企画だから目を閉じているのか、メーカー企画なら値引きさせて引き取って展開しているのか、気が付いていても放置しているのか、気が付いていないのか?それは不明ですが、、

 

理由はファッション業界においては、服の基本を紳士服ではそこそこ守られているのですが、婦人服はほとんど遵守されていないのです。判った上で崩しているのならともかく、素人の域を出ていないのです。過去のブログにも幾度も服の基本としての業界のスタンダードを記載したこともあり、業界が低迷しているのは固定概念が多い事と捉えがちですが、遵守すべきところとそうでないところの見極めが重要なのです。

 

勿論、法律違反ではないのですが、業界人が一般消費者を啓蒙しないで、ファッション業界の低迷からの脱却などほど遠いのです。

マーケットは一般消費者(素人)に向けでビジネスをしているのですが、対応する側は素人ではNGです。自動車業界や飛行機業界などはとても素人が参入できるものではありません。

 

どこかの業界の大御所が「トラッドは不変」との考え方を経済紙のON-LINEが持ち上げていましたが、その不変と言われている時代も源から変遷されてそこまで届いていたのです。変化しないものはありませんが、その中でも変えていけない部分と変えるべき部分は当然存在するのです。時代とお客様に合わせ、少し先を見据えての提案を弁えたブランドや商品展開こそ

 

しかし、ファッション業界は素人が海外から買い付けてきた商品を店頭に並べても、即商売ができる参入障壁が低い業種なのです。このような事を見逃して放置する事で、自業界の首を絞めているのです、一事が万事です。

 

よって、売場で商品を買わない(買えない)実態をお客様目線で把握し、その課題をプロの技で解析し、プロの技で改善するのです。一般消費者は買わない(買えない)理由を認識している人はなく、何か(商品・売場環境・接客等)嫌いだから買わなく黙って去られるのです。そして買うモノがないないとつぶやいているのです。

 

現在の企業で売上不振の原因をどう見るか?他者(天候や気温、震災等)要因にするか?自者要因とし、自分で出来る事を見つけ精度を高めるようにするかで、全く異なるのです。

上記以外にも多々あるとは思いますが、「あるある」と同調されても、その後自社は自分はと振り返ってみてください。果たして、、、

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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