生地 雅之

2020 18 May

アフターコロナ

コロナウィルスは第二波の危険も残り、本当に収束するのかは現段階では予測できる状態ではありませんが、いつかは収束するとして、その後どうなっていくのかを考えてみました。

経済環境はますます優勝劣敗の状況が加速し、資金源の心もとない中小企業は埋没し、財力のある大手企業のシェアが大幅に増加すると思われます。しかし、中小企業でも知恵(ノウハウを含め)のある企業は大手にM&A等されたりして残るでしょう。

日本は米国や中国ほどではないのですが、いままでよりも中産階級が下層級に落ち2極化が進みます。それでよりグローバル化の道が近くになり、世界的競争に戦える状況に近づいてくることでしょう。日本の現状はガラパゴス状態です。何もグローバル化のすべてが良いと言っているのではないのですが、世界を無視しては日本のみ上手く生き残る事はあり得ないのですから、

 

4月14日付繊研新聞1面のイオン吉田社長のコメントに、コロナ収束後のマーケットを、

1.ECの広がり

2.家での食事が広がり

3.旅行が控えられる

4.コト機能を付加する事がさらに重要となる

5.暫くは実需型になるためファッション性の高い「アパレルは厳しい期間が長くなる」

とのコメントを出されています。

勿論、意思をすべて表現できていない可能性もありますが、果たしてそうなるのでしょうか?

 

人間の行動は抑制された後の反動は激しく、小職は数か月の我慢の日々の後には、異常なくらいの反動が出ると小職は予測しています。4月中旬のニュースにもなった中国のラグジュアリーの爆買い、5月初旬の韓国の爆買いもそれを表しています。いつまで続くかは不明ですが、

また、商品が店頭で売れなかった反動の在庫過多の処分によるセールの多発も予測され、企業は早期な換金に目が行くと思われます。逆に外食には少し戻ると考えていますが、食品関係はそう大きな戻りは当然なく、大幅な利益確保は望みにくいと思われます。

そして、必需品ではない必欲品のような高額品の購入や旅行などは収束後に起きうるものと推測しています。その後は落ち着くものと思われますが、それもコロナ前の状況位に戻る程度で、それまで以下に抑制されたところまでは全く戻りえないのです。人間の慣習はそう簡単には変わるものではありませんので、、中国や韓国と同じにはならなくても、

 

消費者としても、東日本大震災後のように節約疲れ等が噴出し、今回も元の状態に戻る事は必至でしょう。人間は学ばない生き物なので、習慣は変えられないのですから、何も変わらない元の生活に戻っていくのでしょう。

よって、業界の変革もままならないで、考えられる企業のみが改革・改善の道に進む事が出来るのですが、一体どのくらいの企業が実践できるのかはなはだ疑問です。

 

但し、過去から言われている銀行・証券窓口の閉鎖に加え、今回のコロナによる最終ダメ押しの中小企業の倒産や吸収合併やM&A等での人余りの時代に突入してきます。販売員不足、コンビニ店員不足などは間違いなく解消されてきます。質が良いかは別として、

また、経済の先行き不安による新規採用のSTOPと内定取り消しも横行してきますが、なんと日本国民は二極化ではなく、プチ不満のある中間層が多いので、生活が大きく変える事はないのです。

 

ON-LINE-NEWS(FASHION.COM)に掲載されていた意見ですが、

【コロナ後:ブランド編】「大転換の時期 先代のビジネスモデルを引き継がない」との意見で、

新規事業を起こしていくべきとの事ですが、そう簡単に新規のビジネスモデルを立ち上げられるとは思えないのです。

一度や二度の失敗を恐れない点はそれなりに評価できるのですが、

 

言いたい事は大筋理解できますが、そんなことが全員出来れば、どんな新規事業でも

誰でも成功するのです。

如何に既存事業をリメークしてでも、成功事例を小さくても作りたいのが実情なのです。

まずは、既存事業の良し悪しを確認し、悪い処を「見つけ改善するところからなのです。

見つけられるだけでもすごい事なのです。判っていれば改善の道は拓けるのです。

 

また、ファーストリテーリングの柳井氏は、

新型コロナウイルス感染症による経済への影響は、 しばしば2008年に起きたリーマンショックと比較されます。 私は、新型コロナウイルス感染症は、戦後最大の人類の危機だと思います。 リーマンショックは、わずか10年ほど前の出来事ではありますが、 当時は、スマートフォンすら一般的ではありませんでした。

 

その後、インターネット、クラウド、人工知能、ロボティックス、 アプリの開発が進み、あらゆる人々、国が繋がりました。 また、アジアを中心に、中産階級が増加し、世界各地でそういった人々が 増えました。 世界の構造は、この10年でまったく別のものになりました。

 

これは経済だけに限った話ではありません 社会全体、地球環境の限界が見えた10年だったと思います。今、最も大事なことは「世界は完全につながった」という事実を すべての国、すべての企業、個人がしっかりと認識し、 その事実から出発して、現在の対策や、 今後の進むべき道を考えることです。と言われていますが、

 

今回のコロナについては、5月12日現在で、世界レベルの人口で、(2019年度国連発表)に対する死者比率は0.00371%(286353人)であり、国別でも日本は0.000527%(668人)で世界日平均の1/7なのです。日本の感染者数はPCR検査数の実数の低さも災いし、あてにはなりません。死亡者数はある程度信じられるのです。

一般的なインフルエンザの死者数よりも大幅に低いレベルなのです。問題は未知の病気であり、これで収束するとは思えなかった状況なのです。結果、終われば「泰山雷同して」になる可能性もあるのですが、現在は部分自粛環境のままなのです。

環境の変化は当然あるのですが、人間そのものはそう変わらないと言いたいのです。我慢した後には発散し、右に行ったら反動で左に向かうものなのです。

百貨店の顧客は年齢が高く、ECではモノを買わないとみられていましたが、今回の巣ごもりでやむを得ず買いだしているので、結果オーライ(追い込まれれば使わざるを得ない)とのコメントを出されている人もいらっしゃるのですが、

実はその層は緊急事態宣言による巣ごもり状態でさえECを利用していなく、購入を我慢しているのです。百貨店ECが小さくても伸びている理由は、今まで百貨店ECを利用している人が巣ごもりのために、購入回数が増加しているに過ぎないのです。

 

小職は百貨店ECも応援しているのですが、本質は百貨店業態そのものを応援しているのです。小売業全体の4%とは言え6兆円弱のマーケットが存在し、その他の方とは一線を画す市場なのです。年収1000万円以上の方の税金が日本の税収の半分を構成しているので、このマーケットが日本の経済を支えている部分も大きく無視できないのです。

但し、その消費確保の一部を担う百貨店がまともに機能していない事を補強したいのです。過去から提言しています衣食住のすべてを百貨店で購入している方はほぼ確保できていても、1カテゴリーのみ百貨店利用されている方たちにその他のカテゴリーも百貨店で購入して預ける売場構築を推奨しているのです。(購入できる力はお持ちなので)

百貨店ECもその手法の一つであり、全体の1~2%でも伸びる可能性がある手法なのです。百貨店ECのターゲットを現在のリアルターゲットの高齢者をメインに据えているのではなく(彼らにも手を出しやすい環境作りは否定していませんが)、リアルを含め百貨店顧客(現在の高齢者)の家族(娘・息子及びその子供達まで)を次世代ターゲットとすべきで、上手く確保していただきたいと考えているのです。。

そういう意味では、百貨店の次世代を構築しやすいのは、伊勢丹新宿本店、阪急梅田本店なのです。リアルで百貨店次世代顧客層をある程度確保できているからなのです。他の百貨店(特に百貨店EC売上額が高い高島屋等)が食品や中元・歳暮の売上比率が高く、リアルに合わせた戦術を実施している点は評価されますが、

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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