生地 雅之

2020 13 Jan

渋谷スクランブルスクエア

掲店に11月1日のOPEN後の数日後に数回行ってきました。

この店は駅横の東急東横店の場所ですが、百貨店は一部縮小しては残っていますが、大半このFB(ファッションビル上層階はオフィス)に転換したのです。東急としては渋谷には本店があればこれからの百貨店層は十分と判断したのでしょう。自社で難しいですが百貨店層を維持・拡大しようと意思を持って阻止しない限り、当然の帰結と思われます。

 

ファッションビルでのラグジュアリーブランドの展開はここまでの大きさでは初と言えます。低層階にしっかりと張り付いており、いままでの路面店や箱型から、壁面を背負っていてもOPENな環境はラグジュアリーの新しい顔を見せてくれています。G-SIXや心斎橋大丸の展開方法は横まで壁面を作ったショップ型がメインであり、直営店を持ち込んだような従来の方法であったのですが、この展開はラグジュアリーに新しい道筋を開く可能性を秘めています。

 

いままで百貨店であったせいか、6Fの化粧品まではそこそこ従来の百貨店層らしき人で賑わっていますが、従来のファッションビルのメインのショップのセレクトショップなどは7~8Fにて閑散としていました。定借家賃は低いらしいのですが、お客様がお店に来なければ売上は確保できません。今後百貨店の客層は薄まって従来のファッションビル客がメインになるでしょうが、それであれば下層階のラグジュアリーが維持できるかが課題でしょう。

 

しかし、ラグジュアリーの展開方法を見ると、11月1日は「ラグジュアリーが百貨店を見切った日」になるのではと推測します。ラグジュアリーが衰退していく百貨店の箱から新しいチャネルを模索し、試行錯誤しているように見えます。FBやSCにはラグジュアリーを支える顧客は少数であり、最終は直営店や自社サイトに落ち着くものと推測しています。ラグジュアリーブランドファン(コアの客)は業態が変わろうがスイッチしていくのですが、それ以外の客は?

 

ラグジュアリーの強みはブランドの世界観であり、掲店の新しい展開方法は(東急はよくやったとの評価)珠玉とも言えますが、業態と客層のずれが今後課題でしょう。また、伊勢丹のラグジュアリーの垣根を払った展開方向については、ラグジュアリーの中でのカテゴリーの垣根を払う方向に見えていますので、そうであればブランドの世界観からの逆行であり、ビジネスとしては難しいのです。1点豪華主義の客は雑貨(バッグ等)にはシフトするでしょうが、、

 

確かに、消費者も小売業も目線は現在コトに向いていますが、モノへシフトしてくるのは明白です。必要なのは「コトを導線としてのモノ回帰」なのです。このこととラグジュリーの垣根を外す事とは異なるのです。

店の暖簾(ショップブランド)とモノの看板(グッズブランド)の重ね打ち(このバランス感覚)こそこれからの重要な課題なのです。勿論底辺にはモノの良さは最低条件なのですが、

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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