マサ 佐藤

2018 01 May

MDは本来難しいものではない?

★顧客の需要を先読みすることが重要な仕事?

現在私はMDに関する仕事を生業としています。その際、「解り易い言葉で簡単に伝える」ということを常に意識するようにしています。

 

しかしながら、この業界のMDに携わる仕事に従事されている方なら理解できると思いますが、MDに関連する言葉。特に数値系の言葉はときにややこしい言葉で溢れます。指数・KPI指標・52週MD・回帰分析・〇〇動向等数えたらきりがないくらいです。また、浸透していない英語等も多くあるのが現状ではないでしょうか?

 

そもそもマーチャンダイジングの意味は”品揃え政策・計画。商品政策・計画”のことです。

この仕事に従事しているMD(ディレクター・バイヤーも含めて)はそのショップ・ブランドのコンセプトを基軸に、顧客ターゲットに合わせた、商品の品揃え・投入タイミング・価格等の商品政策を常に考えている筈です。

 

この業界のMDの仕事で一番大変??メンドクサイ??仕事と言えば、「顧客の需要を先読みする」仕事。そしてそのことを表現??すること。シーズンスタート前の商品ディレクションやカテゴリー別の売上予測→仕入設計等の仕事。MD予算設計をすることではないでしょうか??

 

★トレンド分析は「顧客の需要を先読み」するために行う手段の一つ。

この業界で「顧客の需要を先読み」する行為として一番ポピュラーなのが、トレンド分析になります。一概にトレンド分析と言っても多種多様にあり、様々な場面でよく見るコレクション分析はその代表的なものになります。

 

ただ、トレンド分析をどの業種のブランド・ショップも行う必要があるのか??というとそうではありません。このことは「顧客の需要を先読み」するための手段にすぎず絶対ではないということです。

例えば、デパートYシャツ売場などはトレンド分析などは殆ど必要のない業態です。(そんなこと言うと怒られるでしょうが(笑))過去の傾向を分析し、シンプルに白と以外の色・柄の比率。襟型の比率。そこから具体的に傾向を探っていった方が、イタリアーんな傾向や生地を探すよりよっぽど効率的なのは間違いありませんし、それこそ分析をAI等で簡素化し、発注体系を効率化する方が、よっぽど「顧客の需要を先読みできる」ということになります。

 

また、トレンドなどは顧みず、「顧客の便利を考える」というのも、もっともヒット商品が産み出せる手法の一つです。

例えば、革靴のかかとがすぐ減るという悩みは皆さんお思いではないですか?私も昔ながらの革靴マニアで、「伝統的な工法ガ~」「邪道ダー」ということになりますが、修理屋に修理を出さず、自分で気軽にかかとが交換できるのであれば、私でもそうしたいくらいです。実際に下記記事ではそのことが紹介されています。「便利」というものは、顧客の需要を変える最たるものと言うことです。

http://www.sankei.com/economy/news/160826/ecn1608260026-n2.html

普段の皆さんの何気な生活の中から、常に「顧客に立っての便利」を意識し、気づくことが、トレンド予測を一生懸命行うよりも効果的であるということは、「顧客の需要を先読み」するMDの仕事では常に意識しとかなければいけないことです。

 

★最終的に顧客の需要を先読みする表現を数字で行わなければならない。

「顧客の需要を先読み」するために、様々なことを考え品揃え政策を考えなければならない。ということは上述した通りですか、そのことを結果的に予算という形で表現しなければならない。というのもMDにとっての大事な仕事の一つです。商品そのものの仕事と数字の仕事はMDにとっての車の両輪です。

 

但し、このことが冒頭述べたように、予算にプロパー消化率等をくっつけたり、指数・指標なんていうややこしい言葉等を意識した複雑なものになってしまうと、期中の管理・運営の支障をきたし、結果的にセールで売る比率が高まり粗利率が下がる。最終的に赤字なんてことになっている組織もこの業界では多くあることです。

 

最後に大事なのは、シーズン・期のMDを考えるときは、目的と手段を明確にすること。そして相対的に変わる組織にとっての手段の「最適」を意識し実践すること。そしてMDの仕事にわざわざややこしい言葉・指標などは持ち込まずに、誰もが理解できるシンプルなものにすること。そのことによって、「顧客の心理の変化」に気づきやすくすること。このことが大事なのではないでしょうか?

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