マサ 佐藤

2018 18 Dec

目に見えるものばかりが真実ではない?

★業績が上向き・改善されたというニュースはフェイク??

最近、WEB系のファッション関連のニュースを見ていて感じることがあります。

ここ数年業績が厳しかった組織が立て直しの成功し、「業績が回復した。」「今後黒字の見通し」等の記事をよく見かけれることがあります。また、そういった記事の中には、必ず「セール抑制施策が成功!」であるとか、「在庫コントロールがうまくいき粗利率が5%改善」(1年で粗利率が5%改善したとは、今までどんな杜撰な管理を行っていたのだろう?)MDに関わることが改善され、業績が回復したという傾向が多いようです。

 

しかしながら、まだ業績が回復されていない段階で黒字の見通し!(そもそもこの業界の見通しは楽観的なことが書いてあるケースが多々ある。)をにわかに信じることができません。そういった観点からみると、MDに関すること、とくに粗利や在庫コントロールに関することがそう簡単に解決している筈とも思えません。

 

★粗利改善は販売管理費削減するよりも効率的??

先述の話をMD的な視点だけで絞っていうと、粗利改善は販管費削減よりも効果的です。

 

例えば、年50億の組織で粗利率が45%。販管費が22.5億円の企業は営業利益が0になります。そのような組織が1億円の営業利益高を目指すとなると、よくあるパターンは販管費を1億円削減するということになります。

簡単に販管費削減1億円と言いますが、人件費やその他固定費等を1億円削減するには、とんでもない苦労を強いられます。また、社員のモチベーションを下げる可能性があり、場合によっては売上自体が低下する可能性も大です。

 

これをMDの改善で23.5億円の粗利高を目指し、売上はキープとなると?粗利率を47%にするという施策を実行することと同義です。その改革がうまくいけば、社員のモチベーションを下げず目標を達成することも可能ですし、販管費削減にすぐに踏み込むよりも効率的です。

★粗利率だけを改善すればいい!というわけではない。

しかしながら、この粗利率を改善し業績が回復した!というのもMD視点でみれば、おかしな?ところもあります。

小売業でみる売上は以下のような数式で表されます。

 

売上=粗利高+売上原価高

 

当然、売上原価が低ければ低いほどより粗利が高くなり、儲かるということです。MDとしての目的は(仕入)原価率を抑えることではなく、売上原価率を抑えることとも言えます。

 

但し、このことを別の視点でみるとこういうことも言えます。売上原価が低いということは?売れている(商品)点数が少ない。場合によっては、在庫が多く残っている可能性がある...。とも捉えることができます。

 

そして、売上原価率が低い=粗利率が高い。ということです。そして売上原価率を低くするには??

 

・(仕入)原価率を抑える。

・セール施策を抑制する。

 

とくにこの2つのことが効果的です。セール施策を抑制するということは、在庫が多く残っているケースでは、多くの在庫を残してしまうということです。そして、在庫過多になります。

 

★在庫回転率を調べると??

例えば、上記のようなケースで業績が回復したというのは?損益計算書の表面上の数値を良くしたといえることができます。仮に残った在庫を廃棄処分したり、在庫の評価減を行うと当期の粗利益から差引かなければならないので、結果的に粗利は下がります。しかし、衣料品はすべての商品の鮮度が下がるわけではないので、残った在庫は来年もお客様に売るよ~!ということで上記のような処理をしなければ粗利率を高く見せることは可能です。

 

その場合、決算関係書類等を調べその組織の平均在庫金額が割り出せれば、在庫回転率が算出されます。仮に粗利率がニュースの通り改善されていたとしても、当然在庫が増えている筈なので在庫回転率は低下します。その場合は決して、粗利率が在庫コントロールで改善されたからといって、業績が回復したわけではないのです。

 

★真実は現場に行けばわかる??

先述したことに合わせ、定期的にどこかの店を定点観測し、商品・売場自体を見ていれば、その組織の本質はわかります。そして、あわせて目先の数値以外の数値を調べ、現場とあわせ推理・推測すれば、凡そその組織の本質がわかる筈です。

 

この業界では、目先の数字・ニュース・イメージをそのまま鵜呑みにし、場合によっては「隣の芝生は青く見える」的な思考に陥りがちです。しかしながら、本当に大事なのは、顧客の心理・本質を見極める目を持つということです。そのためには、常日頃から目先のニュース等に惑わされず、真実を見極める訓練をするということが大事なのではないでしょうか。

ファッションMD講義。マネジメント講義「正羽村塾」企業・個人問わず、受講受けつけております。ご興味のある方は下記リンクをクリックしてください。

http://www.msmd.jp

私の記事はfacebookでもご覧いただけます。気軽にフォロー・友人申請してください。

https://www.facebook.com/masafumi.sato.777

この度はブログをご覧頂きありがとうございます。次回もどうぞよろしくお願い致します。