マサ 佐藤
価格コンセプトはブランドコンセプトそのもの?
★ビジネスプランを数値化すると、思いもよらない結果が?
現在、私は専門学校の学生相手に講義?を行っています。今取り組んでいることは、学生たちが過去作ったビジネスプラン(これが意外によくできている)を、学生に自由な発想で考えてもらいながら、具体的なMDに落とし込むというようなことを行っています。
学生は私のように業界にどっぷり浸かっているようなことはないので、私自身も勉強になることが多いです。
そのビジネスプランというのは、帽子屋のPOPUPショップを1か月営業するという内容のもので、売上構成は帽子類を80%。その他雑貨(帽子につけるアクセサリー・リボン等)20%に決めました。学生は基本、私どもと違い「顧客目線」に近いので、帽子の中心価格帯は1万円でプライスゾーンは狭い。その他雑貨類も1000円前後でプライスゾーンを狭めるということ決めました。すると以下のようなことが起こりました。
”1か月の売上1500万円を目標とした場合。帽子の売上は80%で1200万円。売上点数は1200点。その他雑貨の売上は300万円で。売上点数は3000点。という想定数値が導き出せれました。”
すると?学生は、「帽子屋を運営する筈だったのに、その他雑貨の方が(点数で)倍以上の売上数がある。これではイメージしたショップと全然違うものになるのでは?」と悩み始め、置き方含めたVMD。また売り方の販売計画を現在、皆で考えてもらっているところです。
★価格を決定する行為を安易に考えてはいけない。
上記の例のように、価格からビジネスプランをシミュレーションをすると、思ってもみないことが起こったり、気づいたりします。(実はそういうことも行っていない組織が多い??)
ここで話は変わりますが、先日GAPがセールのしすぎを抑制するために価格戦略を変える。セレクトショップのSHIPSも価格戦略を見直すということが記事になっていました。これは時代の変化によって、今までのような価格戦略では、安易に顧客の欲求に響かないということが要因であるように思われます。
しかしながら、価格は下げるけれども、今まで通りの原価率から逆算した価格決めは変えない。よって、プライスゾーンが広くなっても気にしない。((仕入)原価率30%が固定であれば、原価高1000円で、自動的に売価は3333円という手法)また、売価を変更した分だけ、商品クオリティを下げる等の手法が継続するようであれば、いくら価格戦略を見直しても、顧客が戻ってくる筈がありません。
またある意味、価格戦略を見直すということは、ブランド・ショップ戦略を根底から覆すことと同義だということを理解しておかねばなりません。
★顧客は何に対してお金を払うのか?
価格イメージがしっかりしたブランド・ショップは、それだけで大きなアドバンテージがあります。例えば、UNIQLOであれば、3000円前後お金を握りしめていけば、クオリティの高いウールのニットが買える。というイメージが顧客に定着しています。そして、3000円以上の価値を商品に見出すことができます。
また時計のROLEX(最近中古も値段が高騰している。)は、価格が高いとわかっていても、それでも顧客の欲求を満たす、ブランド価値・ステイタス等の付加価値があります。
そして、私のようなゲスなものは、ビジュアル的なブランドイメージ・コンセプトよりも、価格イメージをもって商品の取捨選択をし購買行動に移します。(同じような人も多いでしょう。)
価格コンセプトはある意味、顧客が購買に至る判断材料の大きなウェイトを占めているということです。
しかし未だに、この業界では上述したように、安易に価格決定を行い、あばよくば儲けよう。商品の見た目、自分たちの組織のコンセプトは名目上のものだけで、(仕入)原価率ありきで価格を決定する。結果、プライスゾーンが広がりすぎ、顧客から見れば、違いのわからない同じような商品なのに、なぜ?こんなに価格が違うのかが理解できない。等のことが横行しています。
だからこそ、今現在の自分たちの価格戦略をもう一度見つめ直し、長所・短所を抽出した上で、より顧客の欲求を満たす価格に決める。また価格設定が決まれば、価格に見合う、上回る顧客への付加価値を考える。ブランド・ショップを目指すきっかけになれれば…。ということで終わりにします。
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