マサ 佐藤

2018 01 Feb

抑えるべきは売上原価??

★この業界のMD・バイヤーには(仕入)原価率は抑えてね!と指示が出る。

この業界では、仕入する際にその担当者であるMD・バイヤーには「(仕入)原価率は抑えてね!」という指示が出ます。寧ろその指示を出さない上司・幹部は仕事の怠慢とも言えます。

 

これは何故かというと、(仕入)原価率を低く抑えられば、粗利益がより多くなる可能性が高いということです。企業のMD・バイヤーの仕事の目的は、「(売れる)商品を品揃えすることでより多くのお客様を獲得し、売上・粗利益をより多くすること。」であると言えるので、要は「(仕入)原価率は抑えてね!」は、MD・バイヤーの仕事の目的を達成させる一番手っ取り早い手段ということが言えます。

 

★原価率の高さを売りにしている組織があるが...。

昨今、原価率の高さを謳い顧客に訴求しているブランド・ショップがありますが、これが仕入原価率ならあまり意味がありません。寧ろ私が上司・幹部だったとしたら、部下に「何やってんの?」と注意をします(笑)また(仕入)原価率の高さが、顧客からの視点でよく見られるのであるとするならば、それこそしまむらを賞賛すべきです。

 

また、製造原価率の高さ=顧客から見て良い商品。と謳うののも如何なものでしょう。この業界の方なら当然ご存知だと思いますが、製造枚数によって、生地・工賃・その他付属の値段は大きく変わってきます。製造枚数が少ない組織が、原価率の高さを自慢したところで、顧客に対してメリットはありません。それ以上の付加価値を更に加えないと、顧客の欲求を満たすことはできないでしょう。

 

また、当然のことながら原価率が高い=粗利益率はより低めに出る可能性が高いので、かなりの売上金額がなければ、その組織の利益を上げることは難しいということになります。

★下げるべきなのは売上原価でしょ。

MD・バイヤーの仕事の目的が先述したように、「~~、売上・粗利益をより多く獲得すること。」です。これは、裏を返せば、(売上を多く獲得し)売上原価を低く抑えれば、上記の目的は達成できるということです。

 

粗利益高=売上高ー売上原価高

 

​だからこそ、MD・バイヤーの上司は、「(仕入)原価率を抑えてね!」を先に言うのではなく、まずは「売上を多く獲得し、売上原価(高)を低く抑えるのがMD・バイヤーの仕事の目的だ!」と伝えねばなりません。

そして、売上原価高・率を抑えるのは大きく考えて、売上そのものを上げる以外に2つの手段があります。

 

・(仕入)原価を低く抑える

・セールによる、値引き販売をなるべく抑制する。

 

この2つです。GAPのように(仕入)原価率を低く抑えても、あれだけのセールの乱発を行っていれば、結果的に売上原価は高まり、粗利益は下がります。また、(仕入)原価率を高くしても、売れなければとんでもない状態に組織が陥ります。

また当然のことながら、売上原価高に見合った仕入をしないと在庫が残ります。そうならないためには、事前のMD設計と期中でのコントロールが必要です。

 

★大事なのは目的を理解すること

得てしてこの業界では、目的が手段にすり替わることが散見されます。大事なのは、仕事の目的をまず理解することです。

 

MD・バイヤーの仕事で言えば、上記のことをよく理解し、(仕入)原価率と商品。セールでの施策を予め設計・理解し、ブランド・ショップコンセプトに見合ったことを顧客目線で深く考えなければなりません。

また、MD・バイヤーの仕事以外でも、自分たちの組織。自分の仕事の目的をまず理解しなければ、道を誤ってしまいます。だからこそ、今一度自分自身の仕事の目的。組織の目的を検証し、改めて仕事の目的をまず皆さんが考える。良い機会にこのブログがなれれば...。と願い。今回終わりにします。

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