武田 尚子

2022 10 Oct

”フェムケア“対応が本格化

フェムテック、フェムケアが世界的な潮流として浸透している。
日本のように、そういう言葉(キーワード)はあまり使わないけれど、「2022パリ国際ランジェリー展」でも、女性起業家による吸水型生理用ショーツの専門ブランドが多く目についた。その多くが女性のコミュニティを軸にした新しいビジネススタイルを志向しているのも特徴だ。
こういった市場の動きを反映し、日本国内の有力ナショナルブランドメーカーも”フェムケア”対応を本格化させている。

創業以来一貫して女性の美しさやここちよさを追求してきたワコールは、長年の研究成果からサポートするフェムケア推進のために、「ワコールフェムケアポータルサイト」を開設。なお、同プロジェクトに関しては、同社の事業部横断で取り組んでいるという。

新コンテンツ制作には、産婦人科医・高尾美穂医師の協力を得て、女性がより自分らしく、毎日をよりここちよく過ごすためのアドバイスを行っている。
実際の商品としては新たに、「アンフィ/ダブルベーシック」と「ウイング」から吸水サニタリーショーツ、ワコールブランドからは洗って繰り返し使用できる軽失禁用ショーツパッドを発売している。

 

グンゼも、セルフケア発想のインナーウエアブランド「セルフェア」から、繰り返し使えるサスティナブルな吸水布ナプキン「サスティナップ」を発売。これまで紙ナプキンで対応してきた幅広い年齢層の軽失禁用に、吸水機能と快適な着け心地にこだわったもので、スナップボタンなしの羽同士でショーツに装着できるようになっている。

トリンプ・インターナショナル・ジャパンからは、2022秋冬物展示会で発表されたように、「トリンプ」「アモスタイル」「スロギー」の3ブランドから、吸水シート一体型ショーツがラインナップされている。
特にスロギー初となる「スロギー・ピリオドパンツ」は、生理の始まりや終わりなどの軽い日向けのタイプ。身生地はスロギーならではの縫い目のない快適なレーヨン混素材だが、吸水部分は4層構造、マチには抗菌防臭機能素材が使われている。

女性の生理を起点にしながら、更年期やその後の長い加齢期間、さらには男性もカバーする幅広い視野で、今後の発展が期待される分野といえるだろう。