生地 雅之

2020 16 Mar

小売業の仕入力の不足部分

現在の小売業、特にGMSや百貨店において、上手く行かない不足部分は

一つと言っても過言ではないでしょう。

それは自社・自店の販売実力の把握なのです。これが的確なら適量な仕入は可能なのです。

環境は変化していても。人間の慣習・行動パターン(良し悪しよりも好き嫌い優先)は

大きく変化していない中で、参考になる過去のデータはあるのに何故活用しないで

、実行できていないのか?

 

バイヤーの実力は、選ぶ力は半端なく強固(特に百貨店バイヤーは)であり、

自店に必要な商品を選ぶ力はそこそこあるのです。

一般的には機会ロスを恐れ、GMSバイヤーは漏れをなくすためにあれもこれもとなっており、

面積が狭い百貨店バイヤーの絞込力はそれなりに素晴らしいのですが、

但し、乾坤一擲の90点の商品を一つ出されても買い付けできる人は少なく、

70点と80点の商品を出されて、70点を見ながら比較して80点の商品を選ぶ事が大半なのです。

比較バイヤー(セレクター)なのですが、

 

また、仕入価格においても、自店ではこれをいくらで売りたいのかを定められる事も少なく、

出された価格を圧縮(値切る)ことに目が行っている状況なのです。

適正なコストを見極められないのです。

要はコスト分解(FASHIONで言うところの生地代、要尺、付属代、縫製工賃、

それのロス分の上乗せ比率や、適正マージンによる製品コストの分解までも把握しないので、

適正価格に交渉することができないのです。

そのため、仕入先は値切られる事を前提としての価格提示になっているのです。

 

小売ビジネスは、「作り手、売り手、買い手、使い手」の4者がWINWIN(均等ではなくても)に

ならなければビジネスの継続は儘ならないのが実態なのです。

コスト分解が出来ているのは、丸投げしていない一部の商社と一部のアパレルくらいなのです。

SPAはやっているつもりでもそこまでの深さはないのです。

 

小売業バイヤーは、仕様書は書けなくても、見てからどこにコストが掛かるのか等が

判らないので、仕入先から見れば甘いの一言なのです。

また、紳士服チェーン店も過去は厳しくしていましたが、馴染んでしまったのではと思えるくらい、

コスト改善ができていないのです。

高くても価値観が上回ればよいのですが、そこにも課題が、お互いコスト削減の

知恵を出し合い、適正価格仕入による適正価格販売(を目指すべきです。

 

まだ、商社が一番薄利でも損をだしていないでしょう。

商社は売先の仕入率を把握しており、ほぼストライクゾーンに提示してきます。

逆に言えばその価格以下での生産フレームを構築してきているので、

価格以上の価値などはその時点では存在しえません。

買う側も何が売れても利益率が下がらないように、一律の率で値決めをしているのです。

 

買う側も売る側もお互い知恵を出し合って、コストカットに向かうべきです。

まだまだ可能です。

また、そのくらいは当然やっていると考えて、ニッチな商品に目が行っており、

作業が増えて儲からないのです。

まだまだ既存業務の改善の余地は沢山存在するのです。

それでも業界は苦しいながら維持しできているので、

既に現在は過剰供給でありどこかが破綻しても、何も可笑しくない状況なのです。

 

再度、一番不足していると思えるのは、自社・自店の販売実力の把握なのです。

過去のデータは沢山あり、同レベルの商品ならどのくらい売れるのかは

結果が出ているのに、売上予算が高いから同レベルの商品を予算(前年以上)達成に

必要な量の仕入れを行っているので、不良在庫の山ができるのです。

過去のデータを適正に把握し、冷静な先読み(予測)が望まれています。

勿論自社商品と他社同等商品の差などは第三者から見れば大した差はないのに、

自社商品は他社よりも多く売れるとの「我が子かわいい」になっている事も、

 

消化をメインとした百貨店ではアパレルでの不良在庫が残り、

アパレルは処分に明け暮れ、在庫処分損を被り、

結果次シーズンの上代に跳ね返ってきています。

自店での販売の適正な上代を逸脱して、売りにくくなり、

自分で自分の首を絞めつけているのです。

消化と言えど発注確認をし、アパレルに不要商品を作らせない事も

仕入額削減のポイントなのです。

 

要は、如何に自社・自店の販売可能な商品(適正な商品・価格・数量・場所・納期)を

見極めた発注をすべきなのです。

やっているとの声が聞こえてきそうですが、やっているなら結果が出ているのです。

ここに注力すれば現在の状況からの脱却の糸口になると思われるので、

バイヤーの育成と権限委譲と評価制度の明確化のセットが必要条件なのです。

 

現在の企業で売上不振の原因をどう見るか?他者(天候や気温、震災等)要因にするか?

自者要因とし、自分で出来る事を見つけ精度を高めるようにするかで、全く異なるのです。

環境の変化は自社のみではないのに、儲かっている(営業利益額)企業や、

儲けられる(高い営業利益率)ビジネスモデルを構築できているのは何故なのでしょうか?

自社は自分はと振り返ってみてください。果たして、、、

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを

構築する必要に迫られてきています。

経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。

どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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