山中 健
D2Cに向くプレイヤーとその課題
前職の時に教えてもらったことですが、消費財には、個人のお小遣いの中かお金を払って買うパーソナルユースと、家庭の主婦が家計の中から支払ったり、代理に買ったりするホームユースがあります。
パーソナルユースは、個人の気持ちで決まりますから、個人の趣味に合うかが大事で、情緒的な買い物行動を行い、ファッション化しやすいものです。一方、ホームユースは家計の中からやりくりしますので、予算はシビアになりますし、家族や親戚、近所の目などが加わることがあるので、理性的で趣味よりもそれ以外のものの比重が増えます。計画的な買い物行動です。
ファッションの多くはパーソナル商品ですが、ホームユース商品もあります。奥さんが揃える旦那さんの服や子供服は、ホームユースです。また、ビジネスマンが仕事に必要で買う服や小物もホームユースに近いでしょう。
そして、D2Cに向くのは、ホームユースだと思います。ホームユース商品は、買わなければいけないものです。しかし、ホームユース商品の多くは、情緒に訴えることをせずに、低価格を売りにしているものが多いのも実情です。その結果、以前は量販店、今ではアマゾンでサクッと買う消費者も多いでしょう。
このような量販店で物足りない人々がかつて買っていたのが、百貨店や専門店ですが、今はそれでは高い。量販店にある雑然としたものの中からは選べないし、高いのも嫌。そんなニューノーマル消費に刺さるのが、デザインを強みとするD2Cプレイヤーなのだと思います。
なので、主に量販チャネルで商売をされているプレイヤーこそ、D2Cに向くと言えるでしょう。しかし、既存の安さ重視、近視眼的なマーケティング手法だけではダメです。ニューノーマル消費を捉えたマーケティングとデザインが必要なのです。
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