山中 健
デザイン経営とD2C と商品
デザイン経営がこれからの経営のあり方として広がる。そのターゲットはこれまでの高感度層、富裕層でなく、洗練された大衆。なぜなら、ニューノーマル消費が進むから。でも、既存小売業の多くはこれまでのあり方を急に変えることができず、一方スタートアップ企業は、D2Cというビジネスモデルで、デザイン経営の見本となりつつある・・・。
この前の2つのブログで、そんな話をしました。今回は、商品に焦点をあててお伝えしたいと思います。
小売業において、大雑把に商品を分類すると、主力商品、補完商品、その他商品です。伝統的な小売業においては、主力商品の数よりも、圧倒的にその他商品が多く、品揃えではその奥行きでメリハリをつけています。総合型ECサイトでは、もっとその他商品が多いでしょう。
目の前のお客さまに応える結果、いろいろなものを仕入れて、イメージが散漫になってしまうというのは小売業の永遠の課題です。それはそれで、一つのビジネスモデルですので、その道を貫くことが必要です。
しかし、デザイン経営をとりいれるなら、自社の強みに立脚した主力商品を作り上げ、それを単品分化(バリエーションアップ)していくことが必要です。このことは、新しい概念でなく、実は商売の原理原則です。
この主力商品の持つ属性を踏まえたデザインを磨きあげ、店舗、ウェブサイト、販促ツールなどの顧客との接点のイメージを整えることが必要です。
そして、洗練された大衆のニューノーマルに対応するなら、デザイン属性はシンプル。そのシンプルな中で磨きあげることが必要です。
日本のファッションにおいては、シンプルなデザインが行き渡っていますが、他の業種ではまだ、情緒的要素や装飾的要素が強すぎる商品が多いようです。
特に、卸売業が棚管理をしている業種はその傾向が強いです。競合に対して差異化するためにそうなってしまうのでしょう。特に、ホームユース商品にその傾向が強い。そのことに不満を持っている消費者も多いのではないでしょうか。
もちろんデザインだけではダメです。商品の品質、手頃な価格あってこそですが、そこはしっかりやっているのに、競合に差異化できていないのであれば、チャネルとデザイン属性を見直してみてはどうでしょうか。その選択肢の一つにD2Cモデルの構築もあるのだと思います。
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