山中 健
デザイン経営とD2C
生産者がオンラインを通して消費者に直接商品を提供するビジネスモデル「D2C(Direct to Consumer)」。この言葉もだいぶ広がってきました。米のBonobosやEverlane、Waby Parker 、日本のKEIやKnotなどがこれにあたります。
これらのプレイヤーが、画期的なのは流通チャネルを経ないで商品を届け、流通コストをカットし、高原価の商品作りをしていることですが、「デザイン経営」の概念でビジネスを組み立てていることも注目すべき点でしょう。
デザイン経営は、デザインを活力としてビジネスやマーケティングを組み立てることです。
これまでもCIやブランディングというマーケティング手法のもと、様々なデザインを強化されてきましたが、ロゴだけ、ストアデザインだけ、ウェブだけ、と連動されていないのも事実です。
なぜでしょうか。
かつてのCIやブランディングでは、大企業が有名デザイナーや有力デザインファームなどに依頼しているケースが多かったと思います。しかし、大企業の場合は、関わる人も多く、チャネルも多様で店舗の立地も様々。コントロールすることが、なかなかできなかったのでしょう。今から15年ほど前に、日本を代表する企業のブランドコントロールの仕事をした時に、あまりのばらつきに愕然としたことを思い出します。
一方、D2Cモデルはスタートアップ企業に多いと思います。意思決定はオーナーや創業者が行い、そのパートナーであるデザイナーとも意思疎通がしっかりとれています。そのため、デザインに一貫性が生まれています。また、チャネルも基本的にオンラインだけですので、コントロールもシンプルです。
アップルに続けとばかり、大手も乗り出すデザイン経営ですが、D2Cのプレイヤーからも学ぶことは多いようです。
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