山中 健
2020年に向けた提言3 「エシカルであることを全てのベースに」
前回の記事で、クリエーションかソリューションに特化した商品・ブランドが支持されるようになると書きましたが、そのベースとなるのがエシカル(倫理的な)であることでしょう。エシカルファッションという言葉もひと昔前からあり、今はサステナブルというワードが多く聞かれますが、ここではサステナブルだけでなくエシカルということも考えたいと思います。
持続可能な社会を目指すという概念であるサステナブルは、SDGsという世界共通の目標もあり2019年に一気に広がった言葉ですが、ファッション業界では課題が山積しています。
素材にリサイクル素材を使用したり、環境保全に寄与する生産体制を整えるなどの取り組みは今後進められるとは思います。しかし、流行を作り出して既存商品を古臭いものにし、大量の流通在庫を生むファッションビジネスそのものがサステナブルではないという指摘もあります。
そこで、ギルトフリー(罪悪感を持たずにファッションを楽しむ)なメッセージや商品作りを標榜する欧米発のブランドが2020年は次々と上陸し、既存のビジネスモデルを悪に見えるような雰囲気が広がる可能性があります。これまで「知らぬが仏」だった日本の消費者が、いろいろと気づく一年になるかもしれません。
だからといって、全ての企業が2020年にサステナブル商品100%にすることは不可能でしょう。そこで各企業に求められるのは、サステナブルに対する自社のスタンスを明確にすることだと思います。いつまでに、どこまで取り組むかということです。
そして、サステナブルな商品の調達や生産だけでなく、他のエシカル要素に対する取り組むについても考えることが必要だと思います。
動物愛護、環境保全、3R(Reduse、Reuse、Recycle)、地産地消、フェアトレード、利他主義、伝統技術の継承・・・。これらのエシカルな事項について、自社がすべきこと、やりたいとこと、できることを整理して、取り組みの優先順位を考えることが必要だと思います。
このように申し上げると「売れない」「うちの顧客は興味がない」という意見も聞こえそうですが、それこそが前時代的な発想となるでしょう。
これらの時代は、エシカルであることが当たり前。売上アップのために使うセリングワードではないのです。商品はクリエーションかソリューションに特化し、エシカルであることは全てのベースになるのです。顧客満足だけでなく、従業員満足、社会との絆づくりを考えてファッションを創り、届けましょう。
H&Mのサステナブルステートメントボード
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