山中 健

2019 28 Dec

2020年に向けた提言1 「空き店舗問題はどこでも必至に 新たな発想で」

今年もあとわずか。そこで、2020年に向けてファッション業界への4つの提言を書きたいと思います。まずは小売の出店戦略についてです。

以前から言われてきた店舗数の縮小。そして体験型店舗をはじめとする新たな概念での店舗の開発が、日本でも本格的に始まったのが2019年だったと思います。2020年には中途半端な店舗はどんどんなくなり、残した店舗は魅力度を増すという取り組みが増えるでしょう。そのため、ショッピングセンターや百貨店などの実店舗のプラットフォーマーはこれまでにない新たな発想で取り組み、リーシングを進めないといけないと思います。

家主は、業種変換や業態変換、仕入から定借へ、売上歩合から固定家賃への変換などはもはや当たり前。出店者も、業界チャネルや、デジタル・フィジカル、プロパー・ディスカウントなどの既存概念を破壊していくことが必要となるでしょう。

海外では、このような取り組みはすでに業界に馴染んでいます。アメリカではオフプライス百貨店が中間層のスタンダードとなっていますし、パリのBHVやシタディームのような業界チャネルをほぼ無視したかのような取り組みも多く、デジタルとフィジカルの融合「フィジタル」に至っては欧米だけでなくアジアでもどんどん広がっています。

そして、「ポップアップ」の広がり。これまでのイベント手法という範疇から、新たな出店戦略の一つとして捉えることが必要です。出店者も家主にも顕在ニーズが多くありますが、マッチングさせるプレイヤーが少ないのが現状です。このあたり、新たなビジネスチャンスとなりそうですね

「シームレスかつボーダレスな出店戦略」「ポップアップの積極導入」が私の提言です。

 

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