内田 文雄
私が中国で起業することになったキッカケ 12!(上海旗艦店オープン編)
2018年、明けましておめでとうございます!本年も宜しくお願いします。
昨年末から書かせて頂いています「私が中国で起業することになったキッカケ!」今年もまだまだ続きます...笑
確か2009年の春頃でしたか...好調のユニクロ中国事業で更なるブレークスルーを目指して、翌2010年5月15日に中国上海に世界で4番目の旗艦店(3,300㎡)をオープンさせるプロジェクトがスタートしました。この当時は米国SOHO店、英国OXFORD店、フランスパリOPERA店と、続々旗艦店をオープンさせていた時期でもあります。
世界で最も成長しているマーケットであるアジア、そのアジアの中でも最大の都市である上海にオープンする旗艦店。「将来中国で起業する!」と決めていた私にとっては、このプロジェクトはまたとないチャンス、「この旗艦店をこれまでのユニクロのVMDの集大成とする!」そして「このプロジェクトを最後にユニクロを去る!」と決めていました。当初の自分自身の約束である3年の倍、6年が過ぎようとしていました。
前述の通り、この上海旗艦店の店長は2005年に私が初めてプロジェクトに関わった銀座店の黒瀬店長。勝手に何か運命のようなものを感じていました。
毎週のように、内装デザイン、商品構成MD計画、ブランドとしてのプロモーションMK計画、そしてそこから繋がるVMD売場計画、の会議が行われました。それまでの経験を活かして、上海のお客さんに喜んでいただける為には?という視点で議論したことを昨日のことのように覚えています。
商品面では?
オープン時の目玉商品は、ユニクロの代表的な商品であるポロシャツの88カラー展開(男女)。プリントT(UT)では、中国を代表するアーティスト達が「上海から世界に発信するクリエイティブ」をテーマにデザインした「Shanghai Pop Culture Project Tシャツ」や、おめでたい数字「8」をデザインモチーフにしたTシャツを発売しました。
VMD面では?
特に「内装デザイン+VMD」のこの旗艦店の最大な試み、特徴として以下の3つが有りました。
①吹き抜け空間を上下に行き来するフライングマネキン
②天井に設置されたガラスケースに回転するマネキン
③320体のマネキンを駆使したVMD表現
書いただけでは、何の事か?分からないですよね。以下の写真を見ていただければお分かりかと思います。
「フライングマネキン」マネキン重量の軽量化、服の着脱のし易さなど開発に苦労しました。この上海店のあと大阪心斎橋店でも使われました
頭上のガラスケースに入ったマネキンが、ゆっくりと時間をかけて回ります。オープン当時は上述のフライングマネキンや、この回転マネキンを見に来られるお客さんや業界関係者で賑わいました
南京西路に面したショーウィンドー。キャンペーン毎に趣向を凝らしたVMD表現を行いました
開店前には1200人が行列を作って頂けました
オープンの模様は以下のURLからもご覧になれます。
https://www.youtube.com/watch?v=vREmA5h-hNY
https://www.youtube.com/watch?v=oAqOfRGQPtc
中国には2017年9月末現在でユニクロは555店舗あります、この上海南京西路旗艦店がオープンした当時まだ60数店舗規模でした。この旗艦店オープンが中国全土で話題になり、その頃からさまざまなデベロッパーからの出店誘致が増えていきました。私の中で今でも一番の想い入れのある店となっています。
この旗艦店のオープンで私の全てを出し尽くしましたし、ユニクロで勉強させて頂くことも最後だと感じていました。
次回は「いよいよユニクロ退職編」です。
本年も何卒宜しくお願いします。
それでは!