内田 文雄

2017 28 Dec

私が中国で起業することになったキッカケ 11!(ユニクロでのお仕事折り返し編)

ユニクロに2005年3月に入社してから、自分の中での約束(ユニクロのお仕事は3年間の期間限定)の3年を迎える2008年。私自身はまだまだ小売業を学び足りないと感じていた矢先、会社よりIMD部(レイアウト、VMD)の部長を拝命し、更に業務役割の広がりと責任(国内、グローバル)が重くなっていきました。これは会社が私に与えてくれた試練だと受け止め、もう少しこの会社で学ぼうと決めました。

ロシア1号店 アトリウム店

ロシアユニクロのショッパー

 

ユニクロ、ファーストリテイリングの売上規模感、グローバルでの展開、与えられる業務ミッションの深さから鑑みて、ユニクロの責任範囲のグレード(役割等級)と、一般アパレル企業のグレードを比較すると、その差は大きいと感じていました。

誤解を恐れずに書かせてもらいますが、ユニクロの部長職は一般アパレル企業の執行役員レヴェルの仕事を担い、ユニクロのリーダー職は一般アパレル企業の部長レヴェルの仕事を担っているのではないか?それくらい、ユニクロではダイナミックな事にチャレンジさせて頂いたし、与えられる権限範囲も一般アパレル企業とは比べものにならないと実感していました。

 

部門長になると、当たり前ですが参加する会議体が変わります、柳井会長含め、幹部の人達との会議が増え、内容も自部門の業務領域を超え、例えば数年後のユニクロの将来像について協議する時間が増えるなど。一方で逆に自らの部門内のコミュニケーションが減りつつあることも感じていました。

毎週月曜日の朝9時(今は始業時間が7時になっているので、もう少し早くなっていると思います)から「部長会」と言われる、柳井会長以下、商品系、営業系、管理系、の執行役員、部長、一部リーダー、約60人くらいが集まり、週次の商売の分析と今週の方針出しをする会議に参加していました。

ユニクロは「商品(MD)→売り方(MK)→売場(レイアウトVMD)」というロジックで、物事の善し悪し、PDCAサイクルで判断していく会社。毎週末(土日)に店舗(店長やSV)から商品、売り方、売場の課題や、自店で実行して成功した事例の提案メールが多い時で300通ほど送られてきます。そのメール一通一通に目を通して回答策を考えたり、実際に週末に自分の目で店舗を見に行き、事実を確認するなど、月曜日の「部長会」で明確な回答と方針を出す準備をしていました。正直言うと、日曜日の夜が憂鬱で月曜日の朝は登社拒否をしたい気持ちに陥ることも度々でしたね。

 

あとこれも事実ですが、信賞必罰の会社ゆえ、管理職の上になればなるほど、責任は極端に大きく重く、半年に一度の目標管理に対する個人評価も一段と厳しくなってきます。私もこの影響を受け部門長なのに目標管理で部門が会社から悪い評価を受けると、良い評価を得た自部門の部下(私が評価査定をするのですが)よりもボーナスが低いなど、普通では考えられないことも起こっていました...笑。

 

このようなことがあると自分自身にとってはあまり芳しい状況ではありませんでしたが、そんなことよりも小売業を学び足りないというジレンマの方が強く、更にユニクロの商売を幅広く学び取ろうと必死でした。

この頃は、日本業務が50%、グローバル(欧米アジア)業務が50%、という感じで、グローバル業務ではアジア地域以上にフランス、米国、英国、ロシアに関わる業務が増えていた時期ですが、正直言うと肉体的にも精神的に一番キツい時期でしたね...笑

 

 

次回は、私の最後の大きなプロジェクト「上海旗艦店オープン編」です。

このブログで2017年最後とさせて頂きます。今年もお付き合いいただき有難うございました。新たな2018年も何卒宜しくお願いします。

 

それでは!