まさに、盛夏の候･･･
　短いようで長い、うだるような暑さが続く日本の真夏を、「なぎ倒されるような熱風」と表現した、小説家がかつていた。エアコンに慣れた日常でも、マスク着用の二度目の夏は、息が上がって体にこたえる人も少なくない。
　昔の人々は、「う」のつくものを食べ、盛夏を乗りきった。うどん・梅干し・瓜、そして栄養価の高い「鰻」の蒲焼きで精をつけよう。旬の「海・山・川・里」の恵みが健康に最も良いと言われてきた。
　コロナが落ち着けば、アクティブな人は、空気のきれいなアウトドアへ向かい、海や川で遊んだりガーデンパーティを楽しむ。インドア派の人は、美術館やアーティストのコレクションに出向いて、「非日常空間」に浸るだろう。
　また、お城や神社、お寺、各地の名所巡り他と、人それぞれの８月がある。
　この時期の売場は、バーゲン・セール・マークダウン・ソルド・特別ご奉仕品の他、プロパーと秋物の新作に加えて、カラフルなＰＯＰやプライスが混在するため、油断すると見栄えが悪くなってしまう。他の月以上に、売場や店内のカラーコントロールに注意を払いたい。
　一方で８月は、晩夏商戦のクライマックスで、秋の新作の顔見せ月。
　昨今は在庫管理システムの普及で、８月と２月に行われていた棚卸しはなくなった。そこで、半期に一度の店内の大掃除（整理・整頓・清掃）を行い、爽やかな気分で秋へと移行したい。･･･（本文冒頭より抜粋・中略)･･･

　月刊「ファッション販売」2021年8月号、連載「売場おこしのディレクション」 第4回講座「ＶＭＤと行事育」。

　主な内容は･･･
　◇　灼熱の風、秋の顔見せ
　◇　8月の「売場おこしのディレクション」
　◇　売れるＶＰ（商品演出）のそこが知りたい！
　◇　ＶＰ・ＰＰ・ＩＰの役割とチェックポイント
　◇　盛夏～晩夏の店舗スタイル
　　　〈ケーススタディ １〉 同アイテムで別のシーンを演出
　　　〈ケーススタディ ２〉 色の配置と小物グッズ
　　　〈ケーススタディ ３〉 白い壁面に白や生成りのアイテム
　◇　ＶＭＤと行事・記念日・モチベーションをリンクさせる
　◇　8月の販促カレンダー
　◇　アイキャッチ度が高まるステージとウィンドウ

　今号も、児玉千恵子オリジナル「空間バランスと色の基本知識力 テスト」を掲載。チャレンジを！

　《バックナンバー》
　◇　売場おこしのディレクション　第１回「ＶＭＤと行事育」
　◇　売場おこしのディレクション　第２回「ＶＭＤと行事育」
　◇　売場おこしのディレクション　第３回「ＶＭＤと行事育」
〔PHOTO:DOMINANT LIMITED〕
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