上野 君子
毎月の少額固定費にご注意
会社勤めをしていた同年代が次々に定年退職していく。
総じて女性は次なる目標に突き進んでいるのに対し、男性はけっこうしょぼくれている人が少なくない。
定年後も年収半減を覚悟で会社に残れば、そのダウンサイジングにため息をついている印象がある。会社を離れて、おつかえしていたものからの解放感を味わうとともに、交通費一つとっても経費の自腹(長年フリーランスの我が身にしてみると当たり前だ!という感じ)の大きさを痛感しているわけだ。飲み食いも会社の経費でと考えていた人はなおさらであろう。
国民年金の5万円ほどでどうやって暮らしていくのかという難題をかかえている自分にとって、生活のダウンサイジングは今から進めなければならないのだが、これがなかなかうまく進まない。
まず交通費。毎月SUICAの支払いだけでも3万円あるが、これは活動するのに必要不可欠なのでそう減らせない。
毎月出ていく固定費の見直しも重要だが、新聞はやはり紙で読みたいし、入浴も毎日したい。
やはりインターネットや携帯の通信料が大きいと、改めて確認してみたら、10年以上にわたって無駄な支払いが引き落としされていたことが今日、判明してショックを受けた。
プロバイダーのバックアップ機能なのでそれも保険と思っていたが、何と自分で稼働させないと機能しないものだったのだ(そんなことは加入するときは丁寧に教えてくれないし、聞いていたとしても忘れてしまう)。毎月は324円でも、年にして3888円、これまでの支払い総額は5万円近くにのぼる!
毎月は少額でも恒常化するとおそろしい例はまだまだある。
親の使っていた回線は解約に抵抗があるので、我が家には電話が2回線あり、そのコストも月300円強なので保留にしてあるが、これもそろそろ見直しが必要であろう。何しろ固定電話はほとんど使わないし(それなのに光電話などに入っている私)、昨今の詐欺商法を考えると電話は出ない方が安全という常識になっている。
また、銀行のATM手数料も毎回108円といってもバカにならない。
カード引き落とし、カード支払いには落とし穴がいっぱい。
数百円でもデジタルで決済する時代とは逆行しているが、カード支払いというのは、基本、やはり借金なのである。忘れた頃に引き落としがやってくるので、それほど使っているつもりはなくても、毎月のカード請求が来る度に驚いてしまう。
とにかく大変な時代になってきた。自衛していくしかないことは分かっているが…。
我が家はこんな電話機が2台並んでいる。ファックスは送信はできるが、インクリボンが高いので買い替えずに受信できないようにしている。悪しからず。