上野 君子

2018 29 Jan

カルチャーギャップは了解済みだが

1週間強の出張からもどってまる3日。土日はコミュニティでの仕事が入っていたので、今日は初めて家で過ごすことができた。長年、定期的に海外に出ているから十分わかっているはずだが、海外(もちろん場所によって異なるが)と日本とのカルチャーギャップが縮まることはなく、益々身に応えるようになった

 

例をあげるときりがないが、今回の珍事(?)を紹介しよう。

出張最終日、市場調査を目的に日帰りでロンドンに行き、パリのホテルに夜遅く戻った。とにかく疲れていたので、荷物の整理をしたら(翌朝チェックアウト)、早くシャワーを浴びて寝ようと思っていた。

ちなみに、私は冷え性のこともあって365日湯舟につかる人なのだが、今回はバスタブ付きの部屋がなかった。ヨーロッパ人と同様、中国人も冬でもシャワーのみというのが一般的らしく、最近の需要に合わせてホテルもバスタブなしが増えている。

 

話を本題に戻そう。部屋に入り、照明をつけようとしたら、つかない。洗面所やデスク横の照明はつくが、ベッド横にある主照明がつかない。何度やってもダメなので、レセプションに電話を入れた(この電話番号がなかなか読めないほど、暗い。最近は部屋にある固定電話をあまり使わないから番号を探すのも結構大変)。

事情を説明すると、メカニック担当が向かうから待てとのこと(機能的なアメリカンスタイルの大きなホテルなので、夜中でもメカニック専門の人が常駐している)。案の定、ここからが長い。待てども待てども、来ない。

荷物の整理をしたくても部屋が暗いからできないし、女性一人だから着替えをしてシャワーを浴びているわけにもいかない。ようやく、ハジゴをかついで担当者がやってきたが、照明器具が壊れているらしく、どうも埒があかない。私もあきらめて、温かい飲み物をとり歯を磨いていると、今度はまた別のスタッフ(男性2人)が別の照明をかついでやってきて、あれこれ試しているが、やはりつかない。

そうやってだいぶ時間が経過した頃、原因が判明した。照明器具の明暗調節のつまみが最小(つまりOFF状態)になっていたのだった!

 

「ほら、これで大丈夫」と、彼らは何事もなかったように部屋を去って行くのに、「メルシー」と応えながらも、私はがっくり。

その照明器具に明暗調節のつまみがあったなんて! それはほんの小さなネジのようなもので、何の説明もないから、ホテルに宿泊する客の何割が使いこなせているかと思われるもの。実はその照明の灯りがあまりに強くて(大きな電球がいくつもついているタイプ)、私はどうにかならないものかと毎晩思っていたのだ。

とにかく、既に時は真夜中を大きく回っている。2時間経過してすべてが解決した。

 

この種類のことは、海外旅行の典型例だろう。

海外に出るといつも何かがおこるし、日本に帰ったら帰ったで、日本人特有のマインドを痛感せざるをえない。このカルチャーギャップに耐えうる体力と忍耐力のある老人にならなくてはならないと自分に言い聞かせるのであった。