久保 雅裕

2022 10 Nov

レストラン「アルポルト」でイタリアワインとマリアージュ


久しぶりにマリアージュを楽しむ会に呼ばれた。今回は、西麻布のイタリアンレストラン「アルポルト」の片岡護シェフの料理を堪能しながら、アルベロベッロのワインをマリアージュして、その相性を探りながらのテイスティング会だ。
ワイナリーは、カンティーナ・ムゼオ・アルベアで、プーリア州アルベロベッロに1900年初頭に設立された老舗。ご存知の通り、アルベロベッロは「トゥルッリ」と呼ばれる伝統的な円錐形の屋根を持つ白い家屋が立ち並び、世界的にも類のないユニークな景観が広がる。1996年には、ユネスコの世界遺産にも登録された。

アルベロベッロのトゥルッリ

さて同ワイナリーでは、年間38万本のワインを生産しており、5年後には50万本の生産を目指しているという。土着のブドウ品種と伝統的な生産方法を尊重し、高品質のワインを生産する事がイトリア谷地域のワインとテロワールのイメージ向上に繋がると考えているそうだ。
また来日した同ワイナリーのクラウディオ・シストディレクターは、同地域の12の農業会社をまとめ、イトリア谷地域で伝統的なブドウ園の復活と新しいオーガニックワインを作ることを目的とした「アルベアランド」と呼ばれるプロジェクトをスタートさせている立役者でもある。

アルベアのクラウディオ・シストディレクター

そして今回のワインを解説してくれたのが、ルカ・マローニ氏とムラッド・オウアダ氏。

ワイン批評家のルカ・マローニ氏
ルカ・マローニ氏は、ワインを評価する定期刊行雑誌「The Taster of Wine」を創刊。1988年から2021年にかけて、約40万本のワインをテイスティングした強者だ。1993年に初版した「ANNUARIO DEI MIGLIORI VINI ITARIANI(最高のイタリアワイン年鑑)」は、彼によってテイスティングされたワイナリーの各ワイン毎に、詳細な試飲評価が分析され、この年鑑によって読者は、細かい情報を得ることができ、唯一無二のワインを見つけることが出来るそうだ。

『最高のイタリアワイン年鑑』

ワインコンサルタントのムラッド・オウアダ氏
ムラッド・オウアダ氏は、醸造家として、2000~2017年 ワイナリー経営全般に携わり、イタリアのみならずフランスやスイス、ブルガリアでの経験も有し、現在ではイタリアのバルベーラやサンジョベーゼ、フランスのメルローやプチ・ヴェルド、ブルガリアのメルニクやルビン、スイスのケルナーやボンドーラといった各地の固有品種を多彩に使いワインを造っているコンサルタントだ。


左からシスト氏、オウアダ氏、マローニ氏と並び、右が主催者のヴァレド・レオナルド氏

今回のイベントを日本側で主催したOrbis novus Corpは、2006年設立。イタリアをはじめ、欧州のワインと食材を紹介し、商品開発、輸入をサポートしている会社だ。ワインの開発やオリーブオイル、ハム、チーズ、冷凍食品、菓子類に留まらず、イタリア産ブラッドオレンジ輸入解禁時の初輸入にも成功している。醸造家のムラッド氏との出会いから、ブルガリアワインも輸入している。

前置きが長くなったが、前菜、リゾット、パスタ、メイン、デザートまでの8品と5種類のワインをマリアージュした。
白はLei vino bianco d’Italia、残りは全て赤で、プリミティヴォ種のPETRANERA 2019、同種のSOL IGP PUGLIA 2018、ブーリアの土着品種、ネロ・ディ・トロイアのLUI IGP PUGLIA 2018、同種のCOMELUNA IGP PUGLIA 2021の順にテイスティングを進めた。


白身魚のカルパッチョ


人参のムース、コンソメゼリーには、ウニが入っていた


ポルチーニ茸とほたて貝のソテー


焼きリゾットミラノ風とフォアグラソテーマルサラソース


きのこのラグーソーススパゲッティ秋トリュフ


いのししと栗の煮込みパスタ


黒毛和牛もも肉のタリアータ


デザートの盛り合わせ

ワインに合う美味しいイタリア料理を提供してくれた片岡護シェフ    

テイスティングとはいえ、5種類のワインを味わい尽くして、夜の帳が落ちた西麻布の坂を千鳥足(大袈裟か??)で登って帰るのだった。

【Orbis novus Corp.】
〒156-0054 東京都世田谷区桜丘3-37-5
TEL 03-6432-6698 FAX 03-5799-6643
ヴァレオ レオナルド valeo@orbisnovus.net
ヴァレオ 信恵  shinno@orbisnovus.net