久保 雅裕

2020 16 May

人間は社会的動物だと実感した自粛生活

今回の自粛生活で、オンライン飲み会、zoom飲み会などを行った人も多いことだろう。筆者も知り合いのミュージシャンにzoomライブを提案し、いろいろと慣れない仕組みをやりくりしながら、オンラインライブの開催に漕ぎつけ、毎日曜夜に行われるのだが、次の日曜で、はや5回目を迎えようとしている。

この他にもスペイン出張繋がりの飲み会、沖縄とスイスを結んでの飲み会(これは時差7時間なので、ローザンヌの彼女にはランチで参加してもらった)、割りと定例で食事会をするご夫婦とのオンライン飲み会など、それはそれで楽しいものなのだが、やはり一緒に喋ってしまうと、ほぼ聴き取れないなど、リアルな飲み会には敵わない。

さて筆者のように出勤先の無いフリーランスだと、組織の有り難さを感じる時がある。目黒にある大学へ出掛けて行けば、教職員たちと手を振り合って、ちょっとした雑談が生まれ、ある種の帰属意識が安心感を伴ってこみ上げてくる。これは、やはりリアルでないと味わえない。普段だったら思わないのだが、こんな時には、しみじみと思うものだ。

また別の仕事のオンライン会議でも7人くらい集まると、あれやこれやとアイデアも生まれ、久しぶりに大人数(とは言っても7人だが・・・(^-^;)で、一つの目的、目標に向かって前進させようという機運でハッピーな気持ちになれた。

ここでふと気づいたのが、飲み会というコミュニケーションと仕事場というスタンスの違いで微妙な気分の差異を感じるのは、何故だろうという事だ。つまるところ「人間は、社会的動物」であるという事なのだろう。もちろん友人たちとの関係性も社会的ではあるのだが、やはりそれ以上に「仕事は社会に働き掛けて、社会を変えていく作業の一端である」という自覚の成せる業なのかなと深く頷いたのである。

今回のコロナ禍を契機に、仕事におけるオンラインの普及、リモートワークの拡大が進むことだろう。さらに5Gの普及でタイムラグなく話せるオンラインシステムの質的向上が図られることを願いたい。

その上で、オンラインに替えられないオフラインの重要性や必然性がクリアに見えてきて、リアルやアナログの大切さが目の前に立ち上がるだろうと期待している。