久保 雅裕
小さなプラットフォーマーなりに出来る事を
米ハーバード大学は、「ワクチンや治療薬が開発されない限り、2022年までは外出自粛が断続的に続けられる」との見解を示した。今までと同じような生活は、しばらくは難しいと思って良さそうだ。飲み屋でワイワイやることも、マスク無しで会話することもできない日々が続くのだろう。
ファッション小売業の実店舗の販売方法もソーシャルディスタンスを保ちつつ「3密」を避けながら、これから訪れるだろう第2波、第3波の自粛要請にも応えなければならない営業となるはずだ。
既に秋のMDについては、春夏の在庫を振り向けるなどしつつ、かなりの生産調整が入るだろうし、セレクトショップの仕入れ枠の縮小も否めない。21年春夏の仕入れも9~10月の社会情勢が見通せず、先行き不安なところなのだが、準備だけは怠らないようにしなければならない。
「出展者が居ない中、ゆったりと見られる合同展」を謳ってきた「SOLEIL TOKYO(ソレイユトーキョー)」だが、小さなプラットフォーマーなりの工夫で準備だけは進めていこうと決めた。その決意表明として、ホームページにも記載した思いをお知らせしたい。
「世界に広がるコロナ禍が一日も早く収束することを願っております。さてこの難しい時期、ファッション業界は、受注の減少、生産の確保、納期の遅れなど様々な課題に直面しています。また休業を余儀なくされている小売業をはじめとして、業界の様々な職種の方にもこの困難はのしかかってきています。特にソレイユトーキョーに出展される小規模ブランドにとって、その影響は小さくありません。
こうした情勢のもと、私たちのような小さなプラットフォーマーでも「できる何か」を考えてきました。もともと、出展者が立たない展示会で、「ゆったりとご自身のペースで見られる合同展」をコンセプトにしてきたため、たまたま「3 密」のような状況は避けることができました。引き続きソーシャルディスタンスを保つ事は、恐らく「アフターコロナ」ではなく「ウィズコロナ」となるだろうこの1 ~ 2 年は、必須の事と考えられます。
今一度、「もっと丁寧に」「一期一会を大切に」の原点に立ち返りつつ、来場者と出展者を繋ぐ方法について、デジタルを含めて模索することにいたしました。
前回から導入した小売業幹部やバイヤーへの直接のヒアリングサービスは、大変な成果を生み出しました。私たちが第三者として意見を聞くことで、より具体的かつリアルな回答と商品に対する客観的なアドバイスも得ることができました。次回からは、このヒアリングサービスを基本出展の中に組み込み、さらに来場できない方々とは、動画によるヒアリングも実施し、確実にマッチングできるようなケアを行います。
この5 年間で培った出展者と来場者の皆さんとの絆を大切に、業界発展の一助となるよう努めていく所存です。合同展「SOLEIL TOKYO」は、ソーシャルディスタンスを保ちつつ、8 月末の実施を予定しています。」と記した。
9月初旬には「rooms(ルームス)」も開催を予定している。ルームスはB2Cも含めてのイベントで、少し趣を異にするが(まあ、象と蟻ほどの違いがあるが(^-^;)、ともに業界を盛り上げるために、さまざまな取り組みが再び無事に立ち上がることを祈りつつ、粛々と進めていきたいと思う。
最後に、今も過酷な環境下で奮闘されている医療関係者やエッセンシャルワーカーの皆様に最大限の感謝を申し上げます。一日も早い収束と医療崩壊の回避を願って。