久保 雅裕
決行の決は、決意の決
東京都の新型コロナウィルス感染者数が400人台に達して以降、最近は200人前後とやや落ち着いてきたように見える。一方で病床占有率や重症者数は、じわじわと上がり始めているのが不安要素だ。周りと話していても、夜の会食は、ほぼ皆無に等しい状況で、飲食業へのダメージがさらに厳しくなりそうだが、その分、感染拡大が抑え込まれているのかもしれない。経済と健康の天秤をどうバランスしていくのか。こればかりは、なかなか正解を見つけられないでいるのが正直なところだ。
アパレル各社とも春夏の個展については、会期を長めにして、アポイント制により、3密を避ける形で実施しており、都内のバイヤーは、ほぼほぼ来場しているのだが、やはり地方は3~4割程度の来場に留まっている。「オーナーが東京に買付に行くなら、私は店に来ないから」と顧客に脅されたとか、「東京出張から帰ったら、2週間、自主隔離します」というオーナーバイヤーなど、涙ぐましい話も聞こえてくる。ズームによるリモート接客で、地方の専門店に説明したり、展示会後にサンプルを地方店舗の受注キャラバンに出すなど、いつもとは違った取り組みが行われている。
このウィズコロナ期においては、新規ブランドの導入や仕入れ予算の拡大は望むべくもなく、アパレルにとっては厳しい春夏展となりそうだ。
とは言え、前進するしかない訳で3密を避けられる出展者の居ない合同展「SOLEIL TOKYO(ソレイユトーキョー)」は、来週25日(火)~27日(木)の日程で、予定通り決行することにした。「決行」という言葉は、「開催」とか「実施」という言葉と比べて、思いが強いことを意味している。それは「決意」の「決」でもあり、この困難な局面においても、少しでも業界を盛り上げるため、「しなければならない」という使命感のようなものもある。
たかだか25ブランドの小さなプラットフォームだが、一つでも気に入ってもらえるブランドを見つけてもらえたら幸いだ。
今回もこんな状況下にもかかわらず、ソレイユトーキョーを支えてくれるアドバイザー(大手セレクトショップ・百貨店の経営幹部・バイヤーなど)の方々が来場、もしくはビデオ配信による参加でブランドに対する意見をいただける。とても有難いことだ。ここに店名だけ記して、感謝の意を申し上げたい。
【アドバイザー】(順不同)
アダム・エ・ロペ、アッシュペーフランス、アーバンリサーチ、エストネーション、ギンザ・シジェーム、シップス、そごう西武、トゥモローランド、バーニーズNY、パルコ、ビームス、フリークスストア、三越伊勢丹、ユナイテッドアローズ
【SOLEIL TOKYO Vol.11】https://www.soleiltokyo.com/
8月25日(火)~27日(木)10~19時
代官山ホワイトルーム(渋谷区恵比寿西1-31-12)