久保 雅裕

2019 08 Apr

セールスエージェントのニーズ高まる(ファッチ使ってみたvol.2) 

 

先日、ファッチについて始めたことを書いたが、今回は実際にマッチングして、お会いしてきた話。

この方はセールスレップの仕事をされていて、この仕事に興味を持って、繋がるスワイプをしていたのだが、「お会いしませんか」とメッセージをいただき、何回か日時調整のやりとりをメッセージで行い、カフェでお茶する事になった。

因みに会う際にお互い顔を知らないので、最終的には「電話でこちらで~す」とやり取りする訳だが、お会いすることになった時点でプロフィールの携帯電話番号が表示されるようになる仕組みになっていたら、より便利かもしれない。まあメッセージで電話番号をやり取りするだけの手間なのだが、人間どんどんルーズになるものだ(^-^;

さて、たまたま新しいメディアの記事でセールスレップについて取り上げる予定があり、その下調べのつもりもあったのと、最近とみに若手デザイナーからセールスレップに関する問い合わせが増えている点も、興味を持った理由だった。

海外ではセールスレップという職業が成立していたが、日本のアパレル業界ではなかなか見受けられない業種だった。その主な理由として、日本は90年代まで小さな国土に16兆円とも言われる潤沢なマーケットが存在しており、社内に営業を抱えても十分な収益を確保できる環境にあった。故に外注するという発想が生まれず、また確保した取引先情報を抱え込むためにも自社営業である必要性が高かったと言える。そして、その営業マンの繋がりが大切でもあり、農耕民族的な関係値の丁寧な拡大が大切とされてきた。一方の欧州などでは一国でまかなえる程のマーケットは少なく、多様な文化的違いのある国々に販売していかねばらならず、かつEU成立前はイミグレーションや関税の障壁もあった為、それぞれのマーケットを熟知したセールスレップを必要としていた。ある意味、狩猟民族的?

だが21世紀に入り、日本のアパレル産業の規模もほぼ半分の9兆円まで縮小し、営業を社内に抱えられるほどの余裕も無くなってきた。もしくはその固定費を支えるほどの売り上げ上昇が期待できない状況となってしまった。ましてや1人ないし2人でやっているようなデザイナーブランドにとっては、その人件費を捻出すること自体が至難の業。そこでセールスエージェントやレップの必要性が生まれ、育ってきたものと思われる。有力なセールスショールームやエージェントの存在が、小さなブランドの助けとなるのか、はたまた価格と価値のバランスを崩してしまうのか。探っていきたいと思う。