久保 雅裕
開発秘話こそ、人の心を打つツボである
マッサージクッションブランド「ルルド」を展開するアテックスは、大阪体育大学の研究室 と共同開発を行なった美顔器「ルルド フェイスメイクローラー」(小売価格45000円・税別)を発売した。
アスリートのパフォーマンスを上げる専門分野で活躍される大阪体育大学の石川教授との話の中で生まれ、顔の筋肉にアプローチするメソッドをベースに、マッサージ器のメーカーならではのノウハウを活かし研究開発されたそうだ。
石川教授
両頬を二つのヘッドで挟み込む「ツインズ美顔ローラーシステム」は、広頚筋を中心とした表情筋へ 働きかけ、即効性のある効 果をもたらす。
内側から鍛えて美しさを引き出すという点では、従来の肌改善を主体とした発想とは一線を画すものなのかもしれない。
一度に左右の頬を強く挟み込んでリフトさせるツインズローラーは、2つのローラーをフェイスラインに沿って(耳下腺、リンパ節に向って流すイメージ)深く上下させ刺激することで、肌の温度を上げ筋肉を引き上げ、即効性の高いリフト効果を実現させる。
またEMSは、微弱な電気刺激によって筋肉を収縮させ、効果的に表情筋に働きかけ引き締める。2 段階の強さ調節が可能で、独自設計により、肌や歯茎へのピリピリ感を軽減した。さらに温感 RF(ラジオ波 )により、肌の奥深くの角質層から温める。皮膚の表面だけでなく、奥からじんわりと温めることで、より心地よく効果的なトリートメントを 実現するという。
さて今回、プレス発表会の際に開発者の女性から苦労話をうかがった。なんと言っても2つのアームをスムーズに動かす分かれ目の強度とのバランスに大変な労力を費やしたそうだ。何度も何度も試作を重ね、工場とやり取りして作り上げたという。
若い女性開発者の情熱からこうした製品が生まれ、世に出て行く。何事も熱意と辛抱、粘り強さが肝要だ。簡単に儲けようという風潮が無きにしも非ずな美容機器業界。効果効能を伝える事も勿論大切なのだが、時として、開発秘話とも言えるこうした話も是非とも教えてほしいと思った次第だ。