久保 雅裕

2018 02 Apr

日比谷公園効果で都会のオアシスとなるか 東京ミッドタウン日比谷

東京ミッドタウン日比谷が2018年3月29日にオープンした。商業フロアは、地下1階から地上7階で、60店舗が入居し、4~5階にはTOHOシネマズ日比谷が入った。

注目すべきは、アルファPRの南貴之さんがディレクションし、有隣堂が運営する3階の「ヒビヤセントラルマーケット」。どことなく昭和を感じさせる内装にいくつかの店舗が複合的に構成されている。キヲスク風スタンドには有隣堂、アンド・コーヒー・ロースター、フレッシュサービスがまるでガード下の店舗のように軒を連ね、サインボードのフォントや電話番号の表記が昭和レトロそのもの。その向かいにあるインテリア雑貨の「ライブラリー」も懐かしい生活道具や商品ともなっているビンテージの什器に囲まれ、古民家に迷い込んだような雰囲気だ。また青山にある隠れ家的セレクトショップ「グラフペーパー」も入居している。本家は壁のブラックボードを引き出すとハンガーラックや棚が出てくるサプライズが楽しめるが、こちらは大きな白い扉を開くと洋服が現れる仕組み。本家ほどのインパクトは無いが、無機質とナチュラルの中間的な空間は、マーケット全体の昭和感に異質のスパイスとなっている。個人的には、青山がまだまだ一般的に知られている訳ではないので、同じブラックボードスタイルを見せた方がよりインパクトが強く、面白い見せ方ができたのではという感想を持った。そして更に眼鏡の「コンベックス」、理髪店の「理容ヒビヤ」、居酒屋「一角」、「テントギャラリー」の構成となっている。

同じ3階には、青山に店舗を展開するインテリア雑貨輸入企画卸のMSTによる「テンポヒビヤ」が賑やかな内装でオープンした。インテリアと小物以外にオリジナルのアパレルも始めたそうだ。

その隣には、ゴールドウインが運営する外苑前の「ニュートラルワークス」が出店。体脂肪などの計測機器もあり、写真の機械は、十指を押し当てると、その時の全身の状態が分かるという機器。筆者が試してみると92点というハイスコア。ストレスが少ないとの事なので、この開放的な施設と日比谷公園の空気に癒されながらの内覧のお蔭だったのかも?(^-^;。カウンセリング含め、コト提案の強化で販売スタイルを進化させていくそうだ。

「イセタンミラー」は、約670㎡という過去最大の売り場を創出。400種類ものリップをブランドに関係なく、色傾向別に一堂に並べ、統一したカラーパレットのケースで選びやすい工夫を施した什器を導入した。奥には、「ケラスターゼ・インスティテュートサロン・メイクオーバーバー」を導入。晴れの日のパーティーやディナー前にヘッドスパやトリートメント、ブロー、メイク、ネイルで準備万端整えることができるサービスを用意した。

東京ミッドタウン日比谷は高級路線の六本木とは対照的に、銀座、丸の内のOLやビジネスマンも取り込める構成と日比谷公園を望むという絶好のロケーションで、癒しの空間となるかもしれない。

1階吹き抜けに面して、「ハロー・アッシュペーフランス・ビジュー」がオープン。ビンテージをテーマにジュエリー、アクセサリーに留まらずウェアも販売する。

2階にオープンした「マスターマインドトウキョウ」は、「マスターマインドジャパン」の世界初のフラッグシップストア。

2階には「ザ・ノースフェイス」のややシックに振った内装が印象的な店舗が入居。