久保 雅裕

2018 24 Apr

パリのMANが、ついにWOMANと合体!!

18年1月のマン・パリ

パリとニューヨークで開催している「MAN / WOMAN」はこのほど、6月のメンズコレクションとウィメンズのプレコレ時期に、新たにマンとウーマンを同時開催すると発表した。今まではメンズのマンだけの開催だったが、トラノイと同様にウィメンズも加えて開催するという事だ。名称は「マン/ウーマン・パリ」で会期は6月22~24日、トラノイと同日程だ。

同社はその理由として、「買付予算の全体的な減少、積極的なバイヤーの不在、間に合わない納期など魅力の欠如に苦しんでいる 9~10 月のセッション(春夏コレクション)という問題に起因」と指摘している。

筆者は、ここ数年のパリ・トレードショーの記事をアパレルウェブにて掲載してきたが、特にその動きが顕著になった今年1月の本稿3月の記事にあるような各トレードショーの動きを注視してきたところだった。

フーズネクスト/プルミエールを主催するWSNディベロップモンによる今年6月の新展示会「ノン・ド・コード・ジュン」の開催発表、あるオーガナイザーによる「セカンドからプレコレへの比重移動」発言など、その加速する動きの顕在化は留まるところを知らなかったといっても過言ではない。これらの動きと軸を一にするように、或いは乗り遅れまいとの思いからなのか、マンとウーマンの統合という形で現れることとなった。

またマン/ウーマンはこのアプローチの積極面として「店舗での商品提案を活性化し、セール期間が年々早く、長期間化するという現状に対峙する新しい考え」とも述べている。

併せて同社にコンサルタントのOlivier SudreとジェネラルマネージャーKevin Duongが加わり、共同設立者のAntoine FlochとOlivier Migdaとともにこの決定を確実なものにするともコミュニケしていた。

ノン・ド・コード・ジュンが約150ブランド、従来からのトラノイプレビューが約100、これにウーマンがどれだけ上乗せできるか? それでも全展示会合わせてせいぜい300といったところか? セカンドセッションには約1000ブランドが出展していることを考えるとその差はまだ大きい。新たな潮流となり、大きなうねりとなっていくのか注視していくべきだが、これらの早期化が、日本ブランドのサイクルとのギャップをますます広げてしまう事に懸念と焦りを感じるのは筆者だけではないだろう。

※ノン・ド・コード・ジュンは、開催中止となりました。ご注意ください。