北川美智子

2020 29 Aug

秋一番 1

 コロナ騒ぎの中、梅雨になり6月のウィンドウはほんの少しの秋の気配でしたが、7月の夏物やセールもはっきりしない市場展開が続きました。
 8月に入ったとたん明確な梅雨明け宣言がないまま猛暑になり、コロナと共に熱中症の心配に陥りました。
 秋の立ち上がりは今までにない苦境の中での出来事のような気がします。
 一方で忘れていたファッションの魅力に改めて気づかされたのもこの秋の立ち上がりのウィンドウかもしれません。
 コロナ渦の問題を抱えながらリモートワークやEC市場の拡大など新しいライフタイルが浸透しはじめ、実用的なものへの関心が高まっていますが同時に季節感、流行、楽しさなどの琴線に触れるものが登場しました。
 大胆なプリント、季節を無視したような色使い、素材の違いで色の差を楽しむ黒、靄のかかったような温かなパステルなどが優美さ、豪華さやエレガントなカジュアル感、スポーツなどの表現を新鮮に美しく見せてくれます。
 半年にわたり眠っていたファッションシーンが再び立ち上がる気配が感じられる8月下旬の店頭です。