武田 尚子
ルームウエアに熱い視線
ネット情報を見ていると、婦人服アパレルもユニクロも、ルームウエアを盛んに打ち出している。
そう、“ステイホーム”が叫ばれている今、インナー、アウター共にアパレル系はこぞって家で過ごすためのルームウエアに熱い視線を投げかけている。
ここ2,3年、「ホームウエア」という一つの産業の変遷にまつわる取材と執筆を進めてきた私にとっては、うれしいような、いや急に来た荒波がこわいような複雑な思いがしている。
すっかり新緑がまぶしく映るようになった4月下旬、ルームウエアやラウンジウエアにおいては長い伝統のあるインナーウエア業界から、今シーズンの新しい商品情報が入ってきた。
ワコールの直営店ブランド「ウンナナクール」は、店舗休業の代わりに、ウエブストアでの売れ行きが伸びており、ルームウエアも好調だという。東京を拠点に活動するアーティスト、monanas(モナナ)氏とのコラボレーションにより、楽しいイラストが特長の『ウンナナときどきクール』を発売した。
TOKIDOKIアートという模様のアート作品を作るMonanas(モナナ)氏のイラストは、「女の子 ときどき 男の子」「クレオパトラ ときどき 小野小町」の2種類。ウンナナクールのクリエイティブディレクター・千原徹也氏がブランドロゴマークを使用してデザインした「フ ときどき ふあゆちゃん」を加えた全3種類を構成している。
アイテムは、ワンピースタイプのルームウエアをはじめ、ハラマキ付きレギンス、レディースショーツ、メンズパンツ、さらにiPhoneケースと圧縮袋をラインアップに加えているところがおもしろい。
また、グンゼでは家での生活を快適に楽しむためのライフスタイルウエア、「アドバンスレーベル」を4月に発売した。
ブランドの際立った特長といえるのは、「薄さ」と「軽さ」。暑い季節も快適な「通気性」や「速乾性」にこだわったトップス、「薄さ・軽さ」と「速乾性」に加えて、「伸縮性」にも優れた、ストレスフリーな履き心地のストレッチパンツが基本アイテムとなっている。
ベーシックなスタイルではあるが、メンズの汗取りパッド付VネックTシャツ、レディースのバレリーナネックやキャミソールなど、アウターとの相性も配慮されたアイテムをそろえている。
今後も夏に向けて、ルームウエアの提案はさらなる広がりを見せるに違いない。