武田 尚子

2020 07 May

アイコニックな「定番」がより重要に

新聞やテレビなどの主要メディアが、コロナ関連情報以外は実にお粗末になっていると感じる。もちろん新しい情報を得たり、新しい番組を作ったりということがしにくい現状は理解できるが、それにしても、である。

あらゆる産業において経済活動がほとんど止まってしまったような今、商品供給のサイクルもその方法も見直さざるを得なくなっている。ある意味ではこれまでの無駄を反省し、真にサスティナブルな社会に向けて舵を切るよい機会でもある。

 

インナーウエアにおいても改めて注目されるのが、定番(海外でいうところのパーマネントライン)ではないだろうか。

そもそも年2回、シーズンごとに新製品を次々に出すという、従来からの慣習そのものが問われている。

もちろん、シーズンごとのフレッシュな新製品も必要だが、新製品と定番とのバランスが確実に変わっていくと思う。定番といっても、シーズンごとのカラーMDの見直しなどのマイナーチェンジが必要であることはいうまでもない。

しかも、基幹アイテムのブラジャー、あるいは(既に定番比率の高い)肌着類に限らず、ナイトウエアやラウンジウエア、ルームウエアの領域でも、いかに定番のスタイルを確立するかがこれからの課題になるだろう。

 

その好例としてあげられるのが、エコフレンドリーな再生セルロース繊維のリヨセル(TINTEX社のテンセル)を使用した「HANRO(ハンロ)」のバランスシャツ。色や形の変化も充実しており、家でも外でも活躍する定番アイテムとなっている。

同ブランドのほかの天然素材系の肌着もいいが、これはより汎用性の高いものとなっている。

 

そのブランドのアイコンになるようなアイテム、スタイルの確立が求められている。