武田 尚子
2020
14
Oct
気持ちが明るくなる色、やさしい色を
季節の変化を店頭の色で感じていたものだが、最近、そういうおしゃれな場所を歩いていないこともあって、今シーズンらしい色という実感がどうも持てない。
この辺はネットを見ているだけでは伝わりくいし、たとえ百貨店やファッションビルを歩いたとしても、以前のような感動がなくなってしまった。
今回のパンデミックとは関係なく、近年、色のトレンドのとらえ方が少し変わっていたように思う。
今年1月のパリ国際ランジェリー展で見た2020秋冬の色の傾向というのはこんな感じ(あえてジャストシーズンになって紹介したわけだが)。 ↱右上クリックしてください
ここでは、以前のようなトレンド云々というよりは、自分の気持ちに合ったものを選びたいという提案をしてみたつもりだ。
スタイリストの安野ともこさんのランジェリーブランド、「AROMATIQUE CASUCA(アロマティック・カスカ)」では、新発想のスタイリングインナーとしての評価の上に、今秋もきれいな色、2色が登場している。
今回追加されたのは、大地や地球を想わせるテラコッタと、癒しと再生をもたらすようなスミレ色。
新色の追加に限らず、ディテールの改善などのマイナーチェンジを図っており、今回も裾の始末をボンティングから、あたりのやさしい縫製へと変化させている。
イタリアのフィロスコッチア綿糸を使用したなめらかな素材をベースに、バストラインに沿ったシェルフロント、外からは見えないアジャスター(シークレットアジャスター)、ソフトワイヤーや取り外しのきくレモンパッドと、スタイリストとしての長年の経験に培われたアイデアは、長いサイクルで女性たちの着こなしの助けになるに違いない。