武田 尚子
2019
26
Aug
「ボディポジティブ」がさらに浸透
体型と密接な関係のあるランジェリーや水着において、「ボディポジティブ」という考え方がさらに浸透している。
これは「ダイバシティ(多様性)」の受容に連なるものだが、単なるサイズの問題だけではなく、あらゆる体型が美しいという思想が欠かせない。
昨年に続き、今年の「ユニーク・バイ・モードシティ」展でも、多様な体型、人種、生き方の女性が選ばれ、ショーイベント「#IFEELUNIQUE」が開催された。
ジェンダーは超えるところまではいかないまでも、昨年より人種や年代が幅広くなり、東洋系の女性やシニア女性も登場した。
市場性としては、やはり豊満なプラスサイズのシェアは大きく、まだまだ伸びしろはあるだろう。
ワコールヨーロッパのプラスサイズ専門ブランド「エロミ」は、前年対比15%増の好調な伸びを続けている。
スキンカラーの胸元と黒レースのコントラストが、バストをコンパクトに見せる。
プリントも多彩。ブラもボトムも、隅々までプラスサイズの人に向けた機能性が。
同ブランドのブースに伺う度に感じるのは、商品の良さを伝えるために、チャーミングな豊満体型のモデルの存在は大きいということだ。
今年デビューしたばかりのフランスの水着ブランド「クラブ・パルフェ」は、プラスサイズが充実しているのはもちろんのこと、XSからXLまで5サイズ展開で構成している。
そのポスターから伝わってくるのは、サイズの大小に関係なく、決して「完璧な」体型ではない、リアル体型の普通の女性たちへの共感だ。どのサイズに対しても平等なスタンスを感じる。
市場性の大きさはプラスサイズ程ではなくても、少数派の声を聞くという意味で、(貧弱なバストに悩む)プチサイズの潜在需要も見逃してはならないと思う。