武田 尚子
「ハンロ」から2021春夏物便り
パリにおける2021春夏コレクションの国際展示会は、ふたを開けてみないと分からないような不安定な状態が続いている。特にランジェリーのメーカーは、それぞれに個別の対応をとるところがメインになりそうだ。
そんななかでいち早く、「ハンロ」から2021春夏コレクションのレポートと画像が届いた。
明るいイエローが目を引く、トレンドラインのIRINIグループ。ジャガトロニクスレースをあしらった快適なソフトカップとボトム
いつものようなロケ撮影ができなかった分、スタジオ撮影やイラストなどで工夫しながら、新商品が紹介されている。
ただ美しいビジュアル写真は、店頭での販促物としては不可欠なため、9月に改めて撮影する予定と話している。
2020春夏シーズンの女性物テーマは、“ナチュラリーコンシャス、サスティナブルラグジュアリー”。
社内工場で作られるオリジナル素材(ニット)の強みを活かし、全体的に「ハンロ」らしいタイムレスな定番スタイル中心の構成となっている。
今年2020秋冬物はSKUで40%減、来春夏物も20%減と、商品を絞り込み、この非常事態に対応した無駄のない構成となっている。
定番のコットンシームレスと、布帛のパンツは、夏のライフスタイルに欠かせない
ロックダウン政策で世界の小売業が軒並みクローズしていたが、家で過ごす装いに対するニーズは決して弱まることなく、オンラインにおけるナイトウエアの売上は順調だったとのこと。小売業が再開した6月はトータルで前年対比90%近くまで持ち直しているという。
業界全体として、しばらく厳しい状況は続きそうだが、来年のコレクションの便りは希望を感じさせる。
汎用性のあるラウンジウエアも、”ナチュラルエレガンス”をテーマにバランス良く構成されている