武田 尚子
「CARE認証」プラチナ取得のプリスティン新店舗
東京駅の目の前にあるKITTE丸の内店2階に、「プリスティン」の直営店「PRISTINE gathering」がオープンした。
この新店舗は、アップサイクルの「リ・プリスティン・プロジェクト」、廃棄ゼロを目指す「Re-COTTONプロジェクト」と取り組みを重ねてきた同ブランドが、次の新たな挑戦を託したもので、その店名にもあるように、人と人が繋がる「場」として機能し、来春にはブランドに共感するファンクラブ「そばかすclub」を発足するという。
オープンを記念したプレス発表会では、奥森秀子社長(㈱アバンティ代表取締役社長)が今後の基本姿勢として、オーガニックコットンのものづくりで「しあわせの循環」を続けていくことを表明。そのためには消費者がモノを選ぶための「指標」が必要として、人権に配慮したものづくりの証である「CARE認証」(一般社団法人計量サステナビリティ学機構)第一号として、4段階のうちのトップに位置するプラチナ認証を取得した報告があった。これは労働環境を評価するために導きだした5つの指標に基づいたもので、全世界あらゆる業界の上位5%(「プリスティン」は上位4.2%)に当る。
「CARE認証」の背景と仕組みについては、一般社団法人ナチュラルキャピタルクレジットコンソーシアム理事長で、国連のルール作りにも関わる馬奈木俊介氏(九州大学主幹教授)による説明があり、未来に向けたカーボンクレジットの意義と展望が分かりやすく伝えられた。
カーボンクレジットに大きくつながる部分として、プリスティンでは国産綿の自給率をあげるための「国産綿復活プロジェクト」を進めており、海外から原綿を輸入するだけではなく、2021年から国産綿の栽培をスタートし、今年2023年には国内協力綿花畑が全国24か所に増えている。2030年までにはプリスティン製品の国産綿混用率を5%に、2050年までには国産綿と再生原料の使用率50%を目指している。国産綿が主流になることはなくても、CO2削減はもちろんのこと、雇用創出などの地域活性化に貢献するものとしている。
「オーガニックコットン」や「サステナブル」といった、どちらかというとこれまで漠然としていたものが、多くの統計データに基づいて数値化され、第三者認証が確立する時代になったこと、そして国際的に日本がその仕組みをリードしていることにある種の感動を覚えた。
窓からは東京駅が