武田 尚子
「フェムテックトーキョー」で感じた新しい枠組み
10月5日から7日までの3日間、東京ビッグサイト東館で「Femtech Tokyo (フェムテック トーキョー)」が開催されている。昨年に引き続き2回目のようだ。
「フェムテックトーキョー」とは、主催者(RX Japan㈱)によると「女性のライフステージにおける様々な課題を解決できる企業が一堂に出展し、企業の経営層をはじめ、メーカー・流通・自治体・医療機関などとの商談、また一般消費者へ幅広くPR(認知拡大)ができる展示会」とある。
「生理・月経」「妊活・妊よう性」「妊娠期・産後」「プレ更年期・更年期」と、女性のライフステージに合わせた構成となっており、それぞれの健康課題を解決できる製品やサービスにかかわる、多様な業種の200社が一堂に集結。同展示会の特徴として、各分野の主力企業が多く出展しているのをはじめ、雑誌などのメディア企業も38社参加しているのも目をひいた。
インナーウエア業界からは、製品メーカーがグンゼ、アツギ、福助など、またセーレン、ユタックス、クロダレースなどの素材メーカーが出展。
アイテムとしてみると、「フェムテック」のもともとの出発点といえる吸水型サニタリーショーツはもとより、インナーウエアのカテゴリーだけをみても従来の「点」から幅広く「面」への広がりが見られた。
正直言って、個人的な思いとしては「フェムテック」という言葉には多少辟易しているのだが、インナーウエア業界にとっては、「フェムテック」がまさに救世主のようになっていることを肌で感じた。
考えてみると、女性のお悩み解決型のインナーウエアはほとんど「フェムテック」の範疇に入るのではないか。女性用インナーウエアの代名詞にもなりうる。
少なくとも、インナーウエア関連の製品メーカー&素材メーカーにとっては、これまで培ってきた技術力、企画力をベースに、新しい市場にアプローチする姿勢を見せる国内最大の合同展であり、非常に重要視されていることは予想以上であった。つまり、マーケティングの大きな変化がここに反映されている。
フットワークの軽い柔軟な考え方を持つ企業にとっては、既にここが重要な情報発信の場であり、新しいビジネスパートナーとの出会いの場になっていることは間違いない。
最後に余計なことだが一つだけ加えると、女性のライフステージをうたうのであれば、ぜひ5つ目のテーマに「アクティブシニア」を加える必要があるのではないかと思った。人生100年時代、「更年期」の後が長いのである。