武田 尚子

2023 04 Oct

環境問題への取り組みがより身近に

地球環境問題を考えた商品開発は国内インナーウエア業界でも進んでいるが、最近はその取り組みを消費者により分かりやすく伝えるようになってきた。

“ブラジャーは捨てにくい”というお客様の声から、不用になったブラジャーを回収・リサイクルする活動を2008年から継続的に行っているのがワコールの「ワコール ブラリサイクル」キャンペーン。「お客様に商品を長くご愛用いただくことがサステナブルな消費につながる」という考えで、今年は10月1日から 2024 年3月末まで、国内の百貨店、量販店、下着専門店、ワコール直営店及びグループ会社店舗を中心とする約 800店舗に加え、ワコール公式通販サイトであるワコールウェブストアでも実施し、より参加しやすくなっている。

「ワコール ブラリサイクル」は、㈱JEPLAN が運営する衣類回収サービス「BRING™」に参画しており、不用になったブラジャーを紙袋やビニール袋に入れて実施店舗に持って行くと、「BRING」の提携工場でリサイクルされ、再生プラスチックに生まれ変わる。


トリンプ・インターナショナル・ジャパンでは、直営店「AMOSTYL BY Triumph(アモスタイル バイ トリンプ)」を中心に、2022年秋冬物で余剰生地をアップサイクルした限定コレクションを発表するなど、環境に配慮した素材を使用したシリーズに力を入れている。

シンプルでアウターにひびきにくく、デイリー使いしやすいSignature Smoothシリーズのベア天竺にはリサイクルナイロン糸を80%、ドレープ感のあるシルエットがフェミニンなパジャマセットにはリサイクルポリエステル糸を94%使用。夏さわやか、冬あたたかという温調インナーにも、2023年秋冬シーズンからリサイクルポリエステルを取り入れた。さらに、生理期間がぐんと快適になるAMOSTYLEフリーダムショーツは、身生地にオーガニックコットンを、マチ部分には抗菌・消臭機能のある竹由来のレーヨンコットンを使用と、シリーズごとの快適さにも配慮した素材を採用している。これらリサイクル素材を使用したシリーズには専用のタグが付いている。

機能性やデザイン性、肌ざわりはもとより、こういった企業の環境への取り組みも、インナーウエアを選ぶ選択肢の一つに定着していくに違いない。