武田 尚子

2019 18 Nov

多様なニーズで支持されるコットンのインナー

敏感肌の人や肌当たりが気になる人が多いなかで、コットンタイプのインナーウエアが幅広く支持されている。インナーアパレル各社の2020春夏物展示会においても、このコットンタイプの選択肢が増えていることを感じた。

 

最近、乳がん患者のニーズが増え、医療関係とのネットワークも生まれているのが、スマイルコットンを使用した「フリープ」(島崎)。

特に、軽くてやわらかく、程よい伸縮性のある片袋(肌側が綿100%)を使用したシンプルシリーズは縫い目の隅々まで改良を重ね、やさしい着心地を追求している。

肌着のトップ&ボトムのバリエーションがそろっているが、キャミソールはカップ付きアイテムも登場。着脱のしやすさや授乳用にも便利なことから安定した人気のある前開きブラは、レースをのせたデザインや、長い丈のタンクトップ型もある。毎シーズン、新色が加わるのが楽しい。価格帯はショーツ2000円から、レース付前開きブラ4800円、カップ付インナー5800円まで。

 

 “旅”を年間テーマにした「キッドブルー」(カドリールインターナショナル)は、ナイトウエア・ルームウエアだけではなく、インナー類も充実している

ベンベルグ素材の定番シリーズをはじめ、夏向けのサマーコットンベア天、さらにヘム部分がレース柄になった涼しげなグループ(ナイロン・コットン混)も目を引いた(価格帯は4300~8900円)。ソフトなファンデーションの役割も兼ねる中間領域といえる。

 

イタリア・フィロスコッチアの超長綿の糸を使用し、国内企画・国内生産でインポート感覚の上質なインナーを実現させている「アロマティック」(タカギ)は、新たにスポーティなコットンストレッチのグループが登場。オリジナルのカップ左右が別々にフィットするアンダークロス仕様で、アクティブな動きにも対応。ストラップのアジャスターがカップ裏に隠れるつくりになっているので、ヨガなどにも一枚で着ることができる(価格帯はフィットブラで9000円)。

 

このように、コットンのインナーは、従来のカテゴリーを超えて、ますます広がりを見せている。