武田 尚子

2019 27 Nov

新しい挑戦の道のり

 

先週、渋谷で開かれた「CHUTINTIMATES」の2020春夏物展示会のテーマは、“into the Wild”。同名のアメリカ映画からインスピレーションを受けたもので、どこか土埃のする男っぽい感じと、ランジェリーの女っぽさが不思議にミックスされている。

明るいピスタチオからアースカラーのカーキまで、グリーン系が多くのグループに構成されていた。 

より注目されたのは素材面。メッシュのスペイサーファブリック(モノフィラメント素材)をカップ内側に使ったり、ラメやレースの変化を積極的に取り入れたり、フロントホックに大きなメタルのパーツを使ったりと、通常のナショナルブランドでは見られない挑戦をしていること。

直営チェーン店での販売を主力とする同ブランドの強みを活かし、物性面でのリスクを踏まえ、一歩踏み込んだ取り組みがみられる。

チーフデザイナーの斎藤さんの話からは、国産ランジェリーに新しい風を吹かせるという役割を意識しているのがひしひしと伝わってくる。

まさにテーマ通り、「荒野へ」の心情なのかもしれない。

 

また、ラウンジウエアやアクティブウエア、前シーズンデビューしたメンズと、着用シーンやジェンダー、さらには年代の幅も広がる気配で、今後のブランドの成長が楽しみだ。