武田 尚子

2018 27 Oct

次代の風を感じた合同展

諸般の理由から、都心に出るのは週に1度程。限られた時間で方々まわらなくてはならないのにストレスを感じているのだが、もっとフットワークを軽くしなくてはならないと思えるのが、時代の変化を肌身で感じるような新鮮なもの、気持ちを揺さぶられるものに出会った時だ。

そんな刺激を受けたのが、渋谷に新しくできたマスタードホテルの2フロアで開催されている合同展「SHICHIMI(シチミ)」。二段ベッドの狭い部屋が並ぶホテルの空間を活かした会場構成は、効率的に気軽に見られるのだが、時間切れで、会場全体を見て回ることができなかったのは残念。ファッションから雑貨、インテリア、アート、食まで、総合的に程よい規模感で集められていた(明日1028日まで開催。2728日は誰でも入場可能)。

 

同展のご案内をいただいたのは、「アルバージェ・ランジェリー」(㈱XY2人の女性によって20169月にスタートしたブランド(会社は2015年設立)で、既に伊勢丹新宿店マ・ランジェリーでも展開実績がある。ランジェリーデザイナーの高崎聖渚さん(写真右)はクリエイティブ担当、ファッションカルチャーサイトの企画運営などに当たってきた織田愛美さん(写真左)は渉外担当と、それぞれの強みを活かしたパートナーシップで事業展開を行っている。

2人は共に、平成元年生まれの29歳。顧客層もほとんどが同年代とのこと。

話を聞いていて興味深かったのは、顧客はいわゆるランジェリーマニアではなくて、普段はユニクロを着ているけれど、ちょっと特別の時は違うものでというおしゃれな感覚の人たちで、やはりネットによる出会いと販売が中心になっているという。

さらに興味深いのは、同社の目指す企業価値を、女性の自立支援、男女のコミュニケーション構築、新しい女性の生き方提案、多様なアイデンティティの拡散など、つまりカルチャーの発信に置いていて、「ランジェリーはその一つのきっかけ」としているところ。

しかも肩肘張った理論というより、独特の美意識や自由な感覚にファンを集めているところが非常に新世代らしいと好感が持てた。

 

ファッションとしての着こなしの楽しさを感じるエッジの効いたデザインが持ち味

 

オリジナル柄によるメンズのアンダーウエアも

 

また、同展ではファンデーションメーカー、MICによる新しい挑戦「ブラウンジ」にも遭遇。同社の「3Dブラ」が内蔵されているラウンジウエアのブランドで、よくあるカットソー素材ではなく、シャツやワンピースなど、布帛のアイテムで表現しているのが新鮮だった。

 

新しいことに意欲的なMICの神崎社長