武田 尚子
2018
10
Nov
「おしゃれヒートテック」という発想
防寒インナーの代名詞のように、消費者の間で定着している「ヒートテック」も、既に発売から15年の歴史を刻んでいる。
この冬、ユニクロでは「ヒートテック」のベーシックなライン以外に、NYの人気デザイナーブランド「アレキサンダー・ワン」とのコラボによる「UNIQLO and ALEXANDER WANG」コレクションを11月9日(金)から発売。発売日前日には、プレス向けに「先行販売会」と称してユニクロ銀座店12階でお披露目があった。
インナーウエアの領域ではあるが、アウターとしてスタイリッシュに着こなせるのが特長だ。ヒートテックのリブ素材には惹かれるものがあったし、極暖バーションがあるのもいいなと思った。が、アーム周りや背中が開いたタンクトップは、とても寒がりの自分にはダメと思ったし、ボディスーツよりできれば上下別のアイテムをもっと充実させてほしいと、現実的なことをあれこれ考え、価格帯も通常のヒートテックより高いので、あまり食指は動かなかった。
いかにもNY風でかっこいいのだが、ここまで展開を絞り込むとなかなか日本での実売は難しいのではないだろうか。アウターウエアならグローバルMDに徹していてもいいが、インナーウエアはどうだろうか。
いや、あえてファッションセンスの尖った人しか狙っていないのかもしれない。
ただ、この「おしゃれヒートテック」という発想は応用がきく手法だと思った。
特に明確なコンセプトのある機能素材の場合は、このようなデザイナーとのコラボによるおしゃれ版によって、新しい市場を開拓する可能性がある。