武田 尚子

2020 11 Sep

ブラのサイズ問題を考える

ブラジャーといえば周知のとおり、靴と同じくらいに、多サイズで構成されているアイテムだ。
サイズに関する啓もうでは伝統のあるワコールから、なんと、SサイズからLサイズまで(アンダー65~85、トップバスト93センチまで)の幅広いサイズに1サイズで対応するというブラが発表された。


2016年から発売している新・解放系インナー『GOCOCi』(ゴコチ)の、ハーフトップ型ブラの新製品。アウターにひびきにくいフリーカッティング素材はもとより、タテ・ヨコによく伸びる、伸縮性に富んだレーシーなダブルラッセル素材を使ったもので、見た目にもフェミニンでおしゃれな雰囲気がする。左右のパッドをひとつなぎにした、立体感と厚みのあるピーナッツ型パッドが使用されているために、バストトップ間隔が離れずに位置が安定し、上向きで立体的なバストシルエットになるという。


もちろん、これはブラジャーの一つの選択肢であって、自分にジャストフィットするサイズを着けることが必須なブラが主体であることはいうまでもないが、WEBストアでの購入やギフト需要など、試着なしにも対応するものとして、特にこの時期における必須商品といえる。価格は4500円(+税)。

また、一方では、型数は絞り込んだうえで、サイズMDをより充実させる施策も見られる。
直営ショップとECの両軸で展開している「シュット!インティメイツ」では、大きいサイズのリピート率が高いことから、これまで最大F・Gカップまでの展開だったものを、G・Hカップにまで拡大。
軽い着け心地《シアーライトブラ、ドレスイージーブラ、ドレスイージーブラ(モールド)》からしっかりタイプ《プッシュアップブラ、ボリュームアップブラ、サイドシェイプブラ》、ノンワイヤー《クロスフィットブラ、ドレスイージーブラ(ノンワイヤーモールド)、ナイトブラなど》と、ブラジャーの基本パターンが確立している中で、主力となるブラジャーのサイズの広がりを持たせたというわけだ。

しかも、通常の大きなサイズに見られるような、機能性優先のがっちりした造りではなく、あくまで優しく、見た目は小さなサイズと同じ雰囲気を持たせた、「新しい波をつくりたい」いというのが狙い。

サイズによる価格の違いも一切なく、中心価格は4800円(+税)。
大きいサイズを着用した写真がないので、その特長を伝えることができないのが残念だが、新しい市場への挑戦として注目される。

上写真は、同ブランドのオリジナルサイズで展開しているドレスイージーブラ。Hカップも後ろのアンダーホックは1段というきゃしゃな造り。オンライン限定のカラー(ダークグレー)も。