武田 尚子
2021
18
Jun
異業種とサスティナブルの取り組み
オンワード(チャコット)グループの「シュット!インティメイツ」は、2021秋冬物展示会で、ソニーとの共同開発によるサスティナブル対応の新商品を発表した。
これは、もみ殻から生まれた天然由来の多孔質カーボン素材「トリポーラス」という、ソニーが生み出した新素材を使用したもの。光合成による稲の生長で排出されるもみ殻を利用しており、もみ殻を墨化することによってもみ殻の細胞間に蓄積するシリカを乗り除いてマイクロ孔を発達させ、独特の多孔質構造を実現している。
水浄化分野、空調産業分野、洗浄剤などのヘルスケア分野、消臭繊維などのアパレル分野まで、幅広い用途に応用できるが、レディス用アパレルでは初の導入。墨よりも孔が大きいために、従来の活性炭に比べて吸着スピードは6倍、吸着容量は2倍だという。
もともとの黒い色を活かし、「シュット!インティメイツ」ではモノトーンのベーシックなグループにまとめた。シンプルでスポーティなノンワイヤーブラ(5280円)、ハーフトップ(4950円)をはじめ、ボトム数種(3000円前後)、さらにメンズのボクサーブリーフ(3500円)も構成している。9月から発売予定で、継続商品として展開していく。シーズンごとに多彩なカラーやレースで新鮮さを提供する同ブランドにとっては、これまでとは異なる新しい顔をつくっていくための、新しい挑戦といえる。
ブランド全体の今シーズンのシーズンテーマ“WAVES”は、いつものように映画からインスピレーションを受けたものだが、この不安の時代にエモーショナルな要求に応えたコレクションとなった。
前シーズンの明るいピンクとは打って変わり、パープル、グレー、ベージュといった女性らしいたおやかな色合いを中心に構成している。