武田 尚子

2021 08 Jul

リアル展示会の大切さを痛感

例年とはかなり時期がずれるかたちだが、インナーアパレル業界の2021秋冬展示会もそろそろ終盤となっている。開催したメーカーについては従来とは規模も開催の仕方も異なるが、対面で人と人とが会い、商品を直接見るということがいかに大切であるかを痛感している。
実際に会わない、目で見ないということはいろいろな不安や憶測をよび、余計な妄想もかきたてるものであることはこのコロナ禍で多くの人が体験しているのではないだろうか。アナログなリアル(オフライン)にはコストや時間の負担もあるし、余計な「無駄」もあるかもしれないが、それによって得られるものがいかに大きいか…。

そういう意味で印象的だったのは、6月末におこなわれたトリンプ・インターナショナル・ジャパンの展示会(新製品お披露目会)だ。日頃から同社はPR発プレス向けの情報発信が実に頻繁で、個人的なきめ細かい気遣いも半端ではないのだが、実際に展示会に足を運ぶことによって肌で感じることも少なくなかった。

ここでは、「トリンプ」「アモスタイル」「スロギー」それぞれのブランドの中で、印象に残ったブラジャーをワンポイントで紹介したい(いずれも7月に発売の商品)。いずれも市場での人気の高さと実績に対応したうえで、新しいデザインを提案している。

まず、主力ブランド「トリンプ」では、19世紀のアメリカを舞台にした『若草物語』からインスピレーションを得たコレクションとなっている「トリンププレミアムゴールドレーベル」。クラシックな家具をイメージした曲線がモチーフとなったリバーレースを使用したシリーズは、ブラウン、ブルー、ホワイトの3色のカラー構成もモダンな雰囲気だ。

直営チェーン展開の「アモスタイル」では、森の中で感じる自然のやさしさを表現したシリーズに構成されていた、“夢見るブラノンワイヤー”。このブラジャータイプはやわらかなミルキーホイップパッドがバストをボリュームアップし、オンタイム用のノンワイヤーブラとして人気があるという。同シリーズにはワイヤー入りの“きゅっと寄せブラ”もある。

イノベイティブな接着技術の取り組みで注目される「スロギー」では、ワンサイズでSからLまでの多様な体型にフィットする「スロギーゴーアラウンド」に登場したレースタイプ。レースでよく伸びるという難しい課題に挑戦して素材開発したもので、裏側のパッドは身生地と一体化したワンピース仕様となっている。
昨年発売してからヒットしている同シリーズに、フェミニンなデザイン性が加わって、組みあわせの楽しさも広がった。