武田 尚子

2022 28 Feb

老舗ブランドもリサイクル素材を導入

日本国内で“SDGs(エスディージーズ)”の合言葉がすっかり定着しているように、世界的にあらゆる産業において“エコフレンドリー”“サステナブル”“オーガニック”、ひいては“ジェンダーフリー”フェミニズム“”ボディポジティブ“、つまり多様性を尊重する意識はますます広がっている。

ランジェリーやスイムウエアの分野を考えてみると、素材開発の環境意識は古くからであるが、製品でこういった動きが見られるようになったのはまだここ10年程のこと。2010年代以降、とくに2015年前後からではなかったろうか。
しかも先駆けとなったのはいずれも独立系の小さなブランドで、漁網のリサイクル素材を使った水着や、ランジェリーにおいてもリサイクル素材、リサイクルレースという表現が徐々に聞かれるようになった。

最近の大きな変化といえるのは、大手メーカーや小売りチェーンがこういった取り組みを企業責任として力を入れ、また可視化して伝えるようになったことだ。

ランジェリーの海外老舗ブランドでも、新しい動きが見られるようになってきた。
「オーバドゥ」の春夏コレクションでは、初めてリサイクルレース(再生ポリエステル糸を使ったエンブロイダリーレース)を導入。やさしい花のモチーフのレースと肌になじむスキンカラーが特徴の“SOFTTESSENCE(ソフテッセンス)”というグループで、多様なタイプのブラジャーが構成されている。
フランスらしいセクシーさを持ち味にしてきたブランドも、新しい時代に向けた変革を行っているのを感じる。