武田 尚子

2024 04 Dec

展示会場で社長交代のニュース

国内インナーアパレル2025春夏展示会の大トリとして、先週、トリンプ・インターナショナル・ジャパン社のお披露目会が同社内で開かれた。
いつものように「トリンプ」「アモスタイル」「スロギー」の3ブランド別に新製品を発表するものだが、会場到着まもなく同社代表取締役社長交代が伝えられ、新社長が紹介された。

ヴァンサン・ネリアス(Vincent Nelias)前社長は2024年11月30日付けで退任。2024年12月1日付けで代表取締役社長に就任したのは、アンドリュー・ブバラ(Andrew Bubala)社長。ネリアス前社長は、引退の意向を今年の早い時期からスイス本社のオーナーには伝えていたというが、新社長が決まるまで暫定的に留任していたという。展示会場では、2人そろってしばし歓談の時間となった。

アンドリュー・ブバラ新社長(左)と、引退したヴァンサン・ネリアス前社長(右)

ブバラ新社長は、1973年、アメリカ インディアナ州の出身。イエール大学卒業後、1995年に日本でソニー(株)に入社。ヴァージニア大学でMDA取得後、ソニー・エレクトロニクス(株)、グーグル合同会社、そして2015年には「ティファール(T-FAL)」などフランス生まれの調理器具で知られる(株)グループセブ・ジャパンに入社し、代表取締役社長に就任したという経歴を持つ。

1886年にドイツで創業したトリンプは、世界トップのグローバルなインナーアパレル企業(女性下着メーカー)だが、日本市場上陸も1964年と非常に早い。日本においては外資メーカーというより、日本のドメスティックメーカーのような定着の仕方を見せており、業界団体である一般社団法人日本ボディファッション協会においても主要会員企業としての役割を果たしている。日本のインナーウエア市場においては、常にリーディングカンパニーであるワコールの好敵手というスタンスでビジネスを繰り広げてきた。

近年は業績の伸び悩みに苦しんでいることがうかがえるが、今回の新商品展示会を見ても、時代が求める機能性とデザイン性のバランスのとれたいい商品がそろっているのは、実際に商品を多く着用させていただいている者の正直な感想だ。

世界的にナショナルブランドを中心とする歴史あるメーカーが苦しんでいる昨今だが、トリンプ・インターナショナル・ジャパン社の商品の魅力をいかに一般消費者に伝えていくか、それは日本のインナーウエア市場全体の大きな課題ともいえるのではないだろうか。


「天使のブラ」などロングセラー商品を展開する「トリンプ」ブランドは、今シーズン、コンフォートワイヤーブラの代表商品がそろったほか、百貨店向け「フロラーレ」がますます充実している。コラボラインも加わって美しさに磨きがかかる「フロラーレ・リュックス」

ヒット商品「ゼロフィール」を核にしながら、他社にはない革新的でモダンな商品が充実している「スロギー」

国内インナーSPAの先駆けである直営店ブランド「アモスタイル」は、選ぶ楽しさが人気の6色シリーズをはじめ、ナイトブラシリーズ、スタイルメイク商品や夏の着こなしが楽しめるものも