武田 尚子
2019
25
Sep
「ランジェリーク」10周年
「ランジェリーク」(カドリールインターナショナル)が来年2020年に10周年を迎えるという。
国内の代表的な高付加価値ランジェリーブランドとして成長してきたが、他のナショナルブランドとはまた異なるスタイルで、都市型百貨店の売り場の中でも異彩を放っている。
OEMメーカーであるバックグラウンドの強みと、デザイナーブランドの個性があいまった稀有な存在といえよう。
この10年の後半はパリのランジェリー展への継続出展、そして直営店の出店が大きなステップになったといえる。
2020春夏シーズンのテーマは、“Path in the grass(草の中の道)”。
7月にいち早くパリで発表されてから約2か月後、先週は東京本社ショールームで展示会が開催された。フランス・ブルターニュで撮影された映像が流れる会場は、海風も少し感じるような草原の空気に満たされているようだった。
涼やかなストライプのコットンドビー、タンポポの綿毛のようなドビー(オーガニックコットン)や針抜きコットン、シルクコットンのサテン、細かい柄の素朴なリバティプリントなどを使い、繊細なレース使いのブラジャーからラウンジウエアまで変化に富んでいる。
「その一枚で、その人の生活を変えてしまうようなものを、深くつくっていきたい」と、言葉を選びながら静かに話すデザイナーの有馬智子さん。これからも息の長い活躍が楽しみだ。