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2020
20
Oct
「トリーバーチ」2021春夏コレクションをデジタルで発表 ピューリタンの機能美が光る
「トリー バーチ」は2021春夏コレクション、29ルックのプレゼンテーションをデジタル配信した。ムービーはマサチューセッツ州にあるハンコック・シェーカー・ビレッジで撮影された
「美は機能に宿る」というシェーカー教徒の考えが、今季のコレクションの基底にあったといい、シンプルで、クリーンなラインが目立つ。シルエットはリラックスしていて、オーバーサイズのスプリングコートやドレス、パンツもゆったりしたラインだ。カラーパレットもホワイト、ブラック、ネイビー、ブラウンなどのベーシックカラーが主流だ。
今季のインスピレーション源は、トリー・バーチ本人の思い出だ。たとえばクエーカー教小学校の教室にあった機能美、牧場の土間にかかっていた編みカゴ、ペインシルバニアのショップにあった手作りのキルト、そして世界のさまざまな場所で出会った手工業の細部が、イメージソースとなった。大きな三角の襟は、ピューリタンたちの服装を思わせ、アメリカの原点ともいうべき、シンプルな世界を彷彿とさせる。
また「トリー バーチ」のシグネチャーであるカフタンが多く登場して、裾を絞ったパンツとのエスニックな組み合わせも提案された。シンプルな服にはタッセル付きのアクセサリーでアクセントを与え、バッグも手の温もりを感じさせるラタンの編みバッグや、レザーの編みバッグが目を引く。
エラスティックバンドのスカートやパンツなど、着やすさを重視し、重ね着しやすいコーディネイトも、コロナ時代の潮流を感じさせる。シンプルな機能美に、スエードのスポーツジャケットやパーカなど、トリーバーチの原点であるアメリカンスポーツウエアを融合させた世界を展開した。
文:黒部エリ